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《パーソルキャリア株式会社主催》CAのロールプレイングコンテスト PCAC 第10回優勝者インタビュー
パーソルキャリアが主催する、CAのスキル向上を目的としたロールプレイング大会「Professional Career Adviser Contest」(PCAC)の第10回が、2026年7月28日に開催された。今回の優勝者2人に、得られた気付きやCAとしての心がけなどについて聞いた。
大和田陽香
Haruka Owada
パーソルキャリア株式会社
doda事業本部 エージェントサービス事業部
首都圏キャリア支援統括部 CAハイキャリア支援部
ハイキャリアセールス第1グループ
新卒でアパレル企業に入社、2店舗兼任の店長を経験。2016年、旧インテリジェンスに中途入社。関西拠点にて販売サービス領域や正社員経験がない方々を主に担当。2019年~2022年、セールス領域に配属。2022年~現在、ハイキャリア層のセールス職のお客様を担当し、チームリーダー業務にも従事。これまでMVP多数受賞、総支援数は450名を超える。
二宮悠輔
異業種から人材業界へ。その理由は…
優勝おめでとうございます。まずはお2人の自己紹介をお願いします。
大和田陽香氏(以下、大和田) パーソルキャリア株式会社の大和田陽香です。私は新卒でアパレル会社に入社し、店長とSV(スーパーバイザー)を3年半ほど務めた後、2016年からパーソルキャリア(旧インテリジェンス)でCA(キャリアアドバイザー)職に従事しています。最初は販売職の支援から始め、営業職を経て2022年からハイキャリアを担当しております。
二宮悠介氏(以下、二宮) 株式会社エリメントHRCの二宮悠介です。私は、大学院卒業後に医療機器会社へ入社し、外科医療機器のディーラーとしてキャリアをスタートさせました。その後、アデコ株式会社(現LHH)にてメディカル事業部の立ち上げに参画し、専門職やハイクラス層、CXO(最高責任者の役職)の支援を担当しました。次に、ヘルステックのベンチャー企業でセールスとマーケティングを担当した後、医療業界特化型のサーチファームであるエリメントHRCに入社しました。
お2人とも異業種から人材業界へ入ったのですね。その理由をお聞かせいただけますか?
大和田 私はファッションが大好きで、学生時代からアパレルでアルバイトをするほどでした。当然、就職はアパレル業界一択。仕事はとても楽しく充実していましたが、同時に気になっていることがありました。それは、お客様のコンプレックスです。客観的に見れば申し分ないスタイルや可愛いらしさをお持ちなのに、ご本人は「太っているから似合わない」「背が低いから着られない」とおっしゃるんです。自分の可能性に自分で蓋をしてしまうお客様に対し、私はファッションを通じて輝いてもらえるよう提案をしていました。ファッションは、お客様の生き方や考え方を反映します。この経験から「人生やキャリアに対してもお手伝いしてみたい」と思うようになり、CA職に就きました。
二宮 私が新卒で医療業界へ入った理由は、がんで亡くなった祖父が関係しています。祖父の死により命の尊さを痛感した私は、大学院で免疫学を学び、就職先は迷わず医療業界を選びました。以来今日までずっと、医療に関わり、医療に従事する方々を支えたい思いが根底にあります。
医療機器会社で営業をしていた頃、お世話になっていた医師から「医療は結局、人なんです」と言われたことがありました。この時に、働く環境面から医療業界に貢献したいと思ったことが、人材業界へ入ったきっかけです。
大和田 数ある人材紹介会社の中で、エリメントHRCを選んだ理由は何でしょうか。
二宮 一度人材業界を離れて働いていましたが、アデコ時代の先輩であり、エリメントHRCの創業メンバーから「もう一度一緒に働かないか」と声をかけていただいたことが入社のきっかけです。
審査員のフィードバックで自分の〝伸びしろ〟 を確認
お2人はなぜPCACに出ようと思ったのですか?
大和田 CAとしての経験を重ねる中で、自分なりの支援スタイルが確立される一方、常に新しい視点を取り入れ続ける必要があると感じていました。社外からさまざまなアドバイスをいただき、自分をアップデートするために挑戦しました。市場が目まぐるしく変化し、AIが発展している中で、自分の技量だけが変わっていないことは、とても怖いと思いました。自社の外からさまざまなアドバイスをいただき、自分をアップデートするために挑戦しました。
二宮 私は、「業界に貢献する屈指のコンサルタントになる」という目標を達成するために、 PCACは重要な指標だと考えていました。意向と性質の橋を掛け、候補者の本質的な欲求を叶えて医療の発展に貢献するために、PCACでスキルを高めたいと思いました。コンテストでは、長きにわたり業界でCAを育ててきた審査員の方々からフィードバックを受けることができ、自分の伸びしろが分かりました。
大和田 どんな伸びしろか、知りたいです。
二宮 候補者のキャラクターと業界での働き方のフィット感や、候補者が未知の環境で活躍するイメージを湧かせるためのメッセージ方法など、自分に足りていない部分が分かりました。
大和田さんは、PCACへの挑戦は2度目だとお聞きしました。
大和田 はい。前回は本選まで進むことができましたが、熱が入りすぎて、タイムオーバーしてしまったんです。その経験から、限られた時間の中で伝えたいことを的確に届けるにはどうすればよいのか、言葉選びや話の組み立て方を見直すきっかけになりました。単に時間内に収めるだけではなく、質を落とさずに相手に伝わるコミュニケーションを追求したことで、普段の業務にも大きな学びがありました。転職希望者の方が抱える漠然とした転職への不安や期待に向き合う際も、一方的に答えを提示するのではなく、一緒に最適な答えを探していくための問いかけや言葉選びをより意識するようになりました。PCACへの挑戦を通じて磨いたコミュニケーション力は、現在のキャリア支援にも活かされています。
二宮 具体的な改善方法を教えていただけますか?
大和田 カウンセリングの癖を徹底的に分析しました。丁寧に伝えようとするあまり説明が長くなり、本当に伝えたいメッセージがぼやけてしまう場面がありましたが、よりシンプルでシャープに、転職希望者の方の心に届く言葉を意識しました。PCACのためだけではなく、日々のカウンセリングの中で必ず実践し、その反応を見ながらトライアンドエラーを繰り返したことによって、自分の課題や改善点が見えやすくなり、軌道修正がしやすくなりました。結果、限られた時間の中でも、相手にとって本当に必要なメッセージをより的確に届けられるようになったと感じています。
CAは「企業が成長し人が幸せになる」ためにある
いつも仕事で心がけていることを教えてください。
大和田 私は、転職希望者と一緒に「生き抜く力」を考えることを大切にしています。コロナ禍や自然災害など、予期せぬ出来事が起こる時代だからこそ、一人ひとりが自分らしく働き、幸福度や充実度を高めていくことが大切だと考えています。目先の転職支援だけでなく、どんな環境でも活躍できる力を一緒に築いていきたい。そのために、私自身を最大限活用していただきたいと常に思いながら、転職希望者と向き合っています。
二宮 私は、相手に興味を持つことを意識しています。どれだけ医療に詳しくても、相手のことがわからなければ相性がいいマッチングはできません。候補者が気付いていない強みや弱みを伝えるためにも、まずは相手に興味を持つことが大事です。その上で、私と出会ったことで候補者のキャリアへの視野が広がったり、求められ続ける能力を開発したりする支援ができればと考えています。
どんなときに仕事のやりがいを感じますか?
大和田 最もやりがいを感じるのは、転職希望者の〝生き抜く力〟が育っていく瞬間です。年齢や経歴を理由に「自分には無理だ」と可能性を狭めていた方が、自信を持って新しい挑戦に踏み出し、「こんな世界で働けるとは思っていませんでした」と話してくださると、この仕事の意義を強く感じます。さらに、以前ご支援した方から転職の節目で再び相談をいただき、「次こそあの会社に挑戦したい」と前向きな言葉を聞けると、その方が自分自身の力で未来を切り拓こうとしていることが伝わってきます。転職希望者の成長が企業の発展につながり、その先の社会の活性化にもつながっていく。そんな幸福の連鎖を実感できることが、私の原動力です。
二宮 私は、候補者の先入観や誤解を解きながらキャリアの選択肢を広げられたときに、やりがいを感じます。また、支援したある候補者様がCXOポジションでの転職に成功し、後に代表取締役になって上場し、採用企業側としてご相談くださったときは、企業の成長にも貢献できた実感がありました。
寄り添うだけなら誰でもできる。大切なのは候補者の可能性を広げること
これまで直面した困難や、それをどう乗り越えたかについてお聞かせください。
大和田 私が近年で最も苦労したのは、コロナ禍です。面接自体が行えず、求人案件は凍結し、転職希望者に面接の場すら提供できない状況に陥りました。支援の機会そのものが失われてしまい、CAとして非常にもどかしさを感じていました。しかし、そんな中でも採用を続ける企業はありました。私は、その企業のアイデンティティや「なぜ今採用できるのか」という理由を調べたり現地調査をした上で、転職希望者に自分の言葉で説明できるようにしました。
皆がネガティブな方向を見てしまうと、ネガティブな連鎖が起きてしまいます。常にポジティブな面を見るように、当時は特に意識していました。これからますます人ではなくAIに相談する人が増えていきますので、その時代を乗り越えるために、きちんと下調べをして、自分が見た景色を転職希望者に伝える作業が大切になっていくと考えています。
候補者にしっかり寄り添っていらっしゃるのですね。
大和田 そう言っていただけるのはうれしいですが、私は「寄り添う」だけでは足りないとも思っています。単に共感するだけであれば、今はAIでもできる時代です。私が大切にしているのは、寄り添ったその先で、転職希望者と本音で意見を交わし、対等な立場で議論することです。転職希望者と一緒に〝生き抜く力〟をつくるためには、耳触りの良い言葉をかけるだけでなく、新しい視点や考え方に触れる機会をつくることも大切だと考えています。私の提案や問いかけが、少しでも転職希望者の視野や可能性を広げるきっかけになれば嬉しいですね。その結果として、ご自身らしい選択や決断につながったときに、この仕事の価値を感じます。
二宮さんは、どんな困難がありましたか?
二宮 私が以前在籍していた外資系の人材紹介会社は、年収や勤務地などの条件で検索して案件を提案するスタイルでしたが、エリメントHRCは「働くことを通じて本質的にどうありたいか」に焦点を当てて選択肢を導き出すスタイルですので、仕事の進め方が大きく変わりました。同じCAとしての仕事のやり方を180度変える作業は、CAのキャリアの中で最も苦労した記憶です。一方で、条件マッチングではない、本質的な支援へのシフトは、人材紹介の奥深さを知るきっかけとなりました。候補者にとって最適なキャリア選択になるための見極め力が鍛えられました。
CAは苦楽を共にするバディ
お2人にとって、CAの介在価値とは何でしょうか。
大和田 市場の変化に合わせ、採用方針やエージェントに期待される要件は目まぐるしく変わるので、介在価値を感じきることは永遠にないと思っています。もっと言うと、感じきって満足してしまうとダメだと思います。
二宮 たしかに、候補者や企業のニーズは変化し続けるので、「介在価値を出せた!」と満足しきれる日がくるかというと、難しいと思います。そんな中でも、候補者が気付きを得られたり、私と出会わなければなかった変化を起こせたりすることは、1つの介在価値だと思います。採用企業に対しても、採用の背景に合った人材を紹介することで事業が成長すれば、それは1つの介在価値だと思います。
ありがとうございます。最後に、今後の展望をお聞かせください。
大和田 今後は、想像を超えるスピードで、多様な働き方や価値観が広がっていくと思っています。そんな時代だからこそ、転職希望者の好奇心や可能性に制約をかけることなく、一人ひとりと真摯に向き合い続けたいです。転職活動に正解はありません。遠回りでもいいから幅広い選択肢を一緒に考え、苦楽を共にするバディのような存在でありたいと思っています。また、CAは単なる転職支援にとどまらず、人や組織を通じて事業に大きなインパクトを与えられる仕事です。実際に、CA経験者を人事や経営企画のポジションに迎える企業も増えています。それだけプレゼンスの高い仕事だからこそ、これからも転職希望者と企業の双方に価値を届け続けていきたいですね。
二宮 候補者に対しては、私と出会ったからこそ気付けた視点や、新しい選択肢を提供できる存在であり続けたいと思っています。転職をご支援した後も、人生の転機でふと私を思い出していただけるような、生涯のキャリアパートナーになることが目標です。
また、意向と性質の橋掛けを体現できるコンサルタントを増やし、エリメントHRCが長く成長し続ける組織になるために、自分自身もその一翼を担っていきたいと思います。
株式会社ミラカナ 代表取締役 黒澤康子よりコメント
PCACの変遷とCAの介在価値について
私がロールプレイング大会 PCACに審査員として関わるようになったのは、前身であるUCB(Ultimate Career Battle)の時代からです。前職マイナビ在籍時に参加のお声がけをいただき、組織として出場者を選抜・育成する立場で関わりました。当時から上位入賞者に共通していたのは、短時間で求職者の「意向」と「性質」を捉え、それを求人提案へ自然につなげる力でした。審査員として全出場者の面談を見ていると、その差は明確です。違いを生むのは特別なテクニックではなく、日常業務の中でどれだけ実践し、振り返り、改善を重ねているかにあります。大会のための練習だけではなく、日々の面談そのものを磨き続けることが重要だと感じてきました。各社が社内勉強会やフィードバックを通じて面談品質向上に取り組んだ結果、大会全体のレベルも年々向上しました。コロナ禍を経て大会はPCACとして再構築され、運営体制や審査基準、フィードバック内容も進化しています。参加者一人ひとりが多くの気づきと成長機会を持ち帰れる場として、さらに価値を高めていると感じています。
今回の大会は、上位者同士の得点差が非常に小さく、全体として高いレベルでの接戦となりました。特に印象的だったのは、「意向と性質」のヒアリングの深さです。限られた時間の中で本質を引き出し、求職者自身の納得感につなげる面談が数多く見られました。また、上位者はそこから求人への橋掛けをシンプルかつ説得力のある言葉で表現しており、新しい視点の提案も生まれていました。CAの専門性の高まりを感じる大会だったと思います。
私は現在、人材紹介事業ではなく組織開発や人事コンサルティングを主業としていますが、それでもPCACの審査員を続けているのは、人材紹介業に18年間携わってきた経験からCAの価値を強く信じているからです。採用は単なるマッチングではありません。企業と個人の未来を左右する重要な意思決定です。求職者の意向や性質を深く理解し、その人らしい選択肢へ橋を架けることができるのはCAだからこそ果たせる役割です。PCACを通じて、その専門性と介在価値がさらに高まり、業界全体の発展につながることを期待してやみません。
黒澤康子(くろさわ・やすこ)
株式会社ミラカナ 代表取締役
JRでのシステム開発を経て、リクルートエージェント、マイナビなど人材領域で22年。人材紹介部門で営業部長、組織開発部長を歴任。2023年に起業。原田メソッド認定パートナー。組織開発・人材開発を通して、人と組織が自ら動き成長するチームづくりと目標達成を支援。
パーソルキャリア株式会社
「人々に『はたらく』を自分のものにする力を」をミッションに掲げ、人材紹介サービス、求人メディアの運営、転職・就職支援、採用・経営支援、副業・兼業・フリーランス支援サービスなどを展開。
URL : https://www.persol-career.co.jp/
株式会社エリメントHRC
2006年11月設立。総合医療サービス業を提供できる唯一の事業体として、医療業界のあらゆる側面に精通したプロフェッショナル集団。ヘッドハントを主体とした採用コンサルティングを行っている。企業から流れてくる求人を埋めるだけの下流の単純作業ではなく、企業の中に入り込み上流から求人を生み出せることが強み。求人を生み出す側として一事業部を丸ごと立ち上げるなど、他社にはない請負求人などがあるのも大きな特徴。
URL : http://www.element-hrc.com/



