2017年に新卒マッチングサービス業として始まったMicoworks(設立時の社名はdigmee)。新進気鋭の新規事業を次々と展開し、2019年にローンチしたコミュニケーションプラットフォーム『MicoCloud(ミコクラウド)』がヒット、2021年10-12月期の会社成長率は前年度比300%を超えた。『MicoCloud』立ち上げの中心人物であるMicoCloud事業本部長の前川大介氏に、事業内容や今後の展望について聞いた。

御社の事業内容をお聞かせください。

LINE公式アカウントでの集客からファン化までを一元管理できるコミュニケーションプラットフォーム『MicoCloud(ミコクラウド)』を運営しています。顧客の属性や興味関心、クリック頻度、などからインサイトを探り、ニーズを見える化し、顧客に合わせた最適なアプローチができるマーケティングSaaSです。

現在はLINEのみですが、将来的にはInstagramなど他のSNSやメッセンジャーなどでの運用も検討しています。例えば、TikTok、WeChat、WhatsAppなどにも注目しています。

『MicoCloud』とは何かお聞かせください。

『MicoCloud』はデータ分析を自動化するだけのツールではなく、顧客の「知りたい」と事業者側の「伝えたい」をカスタムしマッチングさせるコミュニケーションプラットフォームです。顧客の性別や年齢などの基本属性に始まり、将来的には「週に2回はゴルフへ行く」「ECサイトで毎週金曜日に買い物をする」などの動的なデータから、個々に寄り添ったサービスを提供したいと考えております。

人材業界に例えると、求職者の希望年収と募集企業の提示条件を単にマッチングさせるだけでなく、求職者はなぜその年収を希望しているか、もっと年収レンジを上げてもいいのではないかなどをデータから導き、インサイトを深く探り、高確率なマッチングを可能にしています。

私自身、転職を経験して感じたのですが、転職活動はとても孤独です。周りに転職活動中の友達がいることは少なく、悩みを相談したり情報共有したりできるのはエージェントくらいです。一方で、送られてくる求人情報は、いまいちピンとこないことが多いと感じていました。当時の私は銀行の営業職だったせいか、経理・財務部門のリコメンドばかりが届くのですが、私のやりたい仕事ではありませんでした。一方で、自分の市場価値が分からなくて不安でした。このような求職者に潜むインサイトを知り、募集側と応募側の双方にとって有意義なマッチングをするために、MicoCloudがお役に立てると思います。

人材、ウェディング、保険、小売りなど領域ごとにカスタマイズできる点も『MicoCloud』の強みです。裏を返すと、ワンパターンなフローではないので、クライアント企業がカスタマージャーニーをイメージし、顧客のインサイトを想定できるように、KGI、KPIの設定から一緒に考えて成功へ導くコンサルサポートをしています。実は、弊社は創業から人材紹介事業をLINEで運営してきた経緯があり、特に人材×LINE運用におけるノウハウが豊富に蓄積されています。

ゴールが明確でリードタイムの長い人材紹介事業では特に親和性が高いツールだと思います。また、人材派遣事業では、候補者の掘り起しはもちろん、長期にわたるスタッフとのコミュニケーションでも、『MicoCloud』を活用することで営業やコーディネーターの業務量削減になります。

これから日本は労働人口が減少し、より人材の質と作業効率が求められる時代になります。弊社は、日本の労働生産性向上に寄与する企業でありたいと考えています。

新規面談数の拡大から個別フォロー、掘り起こしまで人材×LINEのノウハウが凝縮

MicoCloudの人材領域での活用は具体的にはどのようなものがありますか。

新規面談数を増やすところから、面談後のフォローに活用するところまで、一気通貫でご活用いただいています。

転職意向が顕在化していない方や、求人サイトや広告では自分に合ったサービスなのかが分からず不安な方が離脱してしまっているという現状があります。その方々に対して、チャットボットを活用し、検討度合いや転職のお悩み、希望条件を可視化することができます。また、一人ひとりに合ったコミュニケーションを取ることで会員登録や面談予約までの転換率の向上が実現しています。

その他、掘り起こしでの活用としては、面談時にお仕事がマッチせず休眠している方への配信を候補者の希望条件や検討状況に合わせてセグメント配信が可能です。

また、管理面では私用のLINEでコミュニケーションすることで内容がブラックボックス化している企業様も多いですが、MicoCloudでは、CA/コーディネーターや営業の方は自分の担当している候補者しか表示されず、一方で管理者からは全てのチャット履歴を見ることができ、部門、事業所などで組織単位での管理を実現しています。

お客様からは、「MicoCloud導入とともに、コンバージョンポイントをそれまでのメールアドレスを用いた会員登録ではなく、LINEの友達登録に変えるという対策をした結果、CPAが圧縮され、CVR(転換率)が約2.5倍にアップしました。」「MicoCloudに移行してまだ1ヶ月くらいですが、かなり業務効率化が進んだ実感があります。MicoCloudを導入したことでコミュニケーションが可視化され、業務フロー全体がひとつレベルアップしたような気がします。」「リードナーチャリング目的で導入し、当初の目標に対して200%超を継続して達成している状態です。」などの嬉しいお声をいただいております。

人材業界のお客様へのサポートはどのようにされていらっしゃいますか。

いろいろな条件でセグメントを切って候補者にカスタマイズした配信がしたいというニーズは強くいただきますが、それを実際にどのようなアンケート項目に落とし込むのか、どんな訴求で配信すれば良いのかなど、導入時につまづいてしまうお客様が多くいらっしゃいます。また、導入後も結果数値に対して、どう判断すればよいかや、結果が悪い場合、どのように改善すれば良いのか分からないというご相談をいただきます。

私共は、もともと人材紹介事業をLINEでやっていたノウハウをもとに、専任のカスタマーサクセスが伴走するサポートを提供し、そのような課題の解決をご支援しています。

例えば、掘り起こしの配信では配信未反応が3回連続で続くとブロック率が急増するため、配信をセーブするなどのノウハウで、運用をサポートしています。

そのような活動の結果、現在では、継続利用率は99.5%を超えており、このご支援にはご評価いただいていると思っています。

次のフェーズを見据えてMVVを刷新

直近でMVV(ミッション・ビジョン・バリュー)を刷新されました。何かきっかけがあったのですか?

会社の成長率が前年度比300%超を達成し、既に数百社に『MicoCloud』を導入いただき、次のフェーズへ進む段階に入りました。優良SaaS企業の指標である「T2D3」(ARR/年間事業売上をトリプル2回、ダブル3回と毎年成長させること)に挑戦中で、現在、足元の業績も堅調に推移しています。

社員数も、現在の約50人から早期に150人までの増員を目指しており、私自身も、日々採用活動に力を注いでいます。

「アジアNo.1のコミュニケーションプラットフォーム」を目指す当社としては、このタイミングで改めて、全従業員にカルチャーを浸透させていく必要があると感じ、刷新しました。

今後予定されている事業展開を教えてください。

顧客体験を向上させるための予約管理機能を直近にリリースを予定しています。また、面談予約後のリマインド通知をLINE登録していない方にもメッセージを送付する機能やウェブサイト遷移したが離脱した方にどのページで離脱したかに応じた自動レコメンド 機能なども開発予定です。

人材ビジネス向けCRMであるPORTERSと連携を発表されました。

弊社はフロントのコミュニケーションを担っていますので、今後はデータベースに強い企業との連携も強化予定です。PORTERSとの連携も具体的に進めており、2022年の夏前には提供出来る予定です。MicoCloudのご利用企業様では人材ビジネス企業が最も多く、PORTERSと連携することで、コンタクトできる母数を拡大し、アクティブではない候補者の掘り起こしや、お仕事紹介などで簡単にLINEを活用し、歩留まりを改善できるようになります。また、LINE登録による入口のハードルを下げる効果が生み出せると期待しています。