「テクノロジーで、対話の可能性を広げる仕組みを創る」をミッションに掲げ、チャットボット/LINE拡張プラットフォーム「KUZEN」を提供している株式会社コンシェルジュ。求職者とのコミュニケーションに特殊性があるHR業界においても、即時性かつ個別性に対応可能な同サービスは、400社近い導入実績がある。プロダクトの強みや特徴、期待できる効果、そしてPORTERSとの連携などを同社COOの中里氏に聞いた。

「即時性」「個別性」に対応できるプロダクト

最初に御社のビジネス展開について教えてください。

私たちは「KUZEN(クウゼン)」という、集客とファン化を効果的に実現するプラットフォームを提供しています。LINEの公式アカウント、slackやTeams、WEBサイトに設置するチャットボットなどさまざまなUIで、ユーザーとのやり取りの自動化や、有人でのチャットが行えるツールで、ノーコードで誰でも簡単に構築できるのが特徴です。全体で400社近い導入実績がありますが、ここ1~2年では、LINEの公式アカウントとKUZENを連携し活用してもらうケースが増え、全体でもかなりの比率を占めております。

どういった部分がKUZENの強みや独自性なのでしょう?

ノーコードで構築できることもそうですが、外部連携のしやすさやフレキシビリティも強みのひとつです。APIやRPAを介して外部システムと連携し、LINE公式アカウントやチャットボット上でのより充実した受け答えが可能です。また、ユーザーがチャットボットやLINE上でどういう行動を取ったか、どのURLをクリックしたかなど、データ分析や解析ができるのも特徴です。

HR領域でKUZENが解決できる課題に、どのようなことがありますか?

HR領域、特に人材紹介会社・人材派遣会社と求職者のコミュニケーションは少し特殊で、大きく二つ特徴があると思っています。一つは即時性、リアルタイムですぐにコミュニケーションが求められること。求職者の中には、明日にでも仕事を見つけたい人がいますし、面談を受けて次のフェーズに進んだなど、状況も刻々と変化するため、リアルタイムに高頻度なコミュニケーションを取る必要があります。

もう一つは個別に最適化したコミュニケーションが必要なこと。求職者によって希望の職種やエリア、雇用形態は違いますし、働きたいタイミングも違うので、パーソナライズしたコミュニケーションが求められます。

即時性の部分では、LINE以上にいいツールは日本に無いでしょう。求職者に電話をしても出ない、メールを送っても開いてもらえないことも多い中、多くのケースで頻度の高いコミュニケーションを取れるからです。そこにKUZENを連携させることで、個別情報を細かく設計し、求職者一人ひとりにあった求人を自動でご案内することが可能です。

LINEの公式アカウントの基本機能でも、ユーザーを性別や地域で分けることはできます。しかし、例えば「地域」といっても、ユーザーの居住地と働きたいエリアは異なることもあります。また、KUZENはユーザーが申告した、どこで働きたいか、どの職種か、正規か非正規かなどのパーソナルな情報をもとに配信できるので、より正確性が増します。そのため、HR業界からの引き合いは多いですし、期待度も高いですね。

登録率が数倍アップ、時間は十分の一に

HR業界で導入した企業様には、具体的にどのような効果がありましたか?

求職者が登録する導線を、LINEとWEBサイトのチャットボットに設けたところ、コンバージョンレートが数倍になりました。また、人が介在して情報収集していた箇所をチャットボットにしたところ、登録が終わるまでの時間が十分の一になったことも。他のケースでは、LINE公式アカウントでの自動の求人情報配信と1-to-1(有人)のチャット機能を組み合わせることで、求職者とのLINE上でのやり取りを改善し、成約率アップはもちろん、コミュニケーションのロスが大きく減りました。

また業界全体で、求職者の掘り起こしに関心が高く、これから取り組んでいきたいという企業も増えており、ご相談いただくことも多くあります。

ほかにはどんなところがKUZENの強みなのでしょう?

大きいのは外部連携機能を標準で備えていることです。一日一回バッジで連携するだけでなく、KUZENはユーザーが何かしら行動を起こしたタイミングなどで、リアルタイムにAPIで連携することができます。このようなツールはなかなかないと思います。

またKUZENは、ドラッグ&ドロップで樹形図を描きながら、「ユーザーがこう答えたら、チャットボットがこう返答する」というようにシナリオを組んでいきます。最適な返答をするために、もっとも設計しやすく、全体像を直感的にとらえやすいUIも強みです。

LINE公式アカウントやチャットボットでの複雑なコミュニケーションは設計も難しく、ノウハウが求められますが、弊社のアカウント開設からシナリオ構築、クリエイティブ作成、アカウント運用、改善まで一気通貫でご支援できる体制やケイパビリティについては、業界一だと自負しています。お客様のビジネスモデルを理解することはもちろん、その中でのLINE公式アカウントの役割、KPI/KGIやそのドライバー、各社異なるお客さまに最適なユーザー導線、などすべて考え取り組んでいきます。

今後はKUZENをどう拡張させていくのか教えてください。

LINEというインターフェースで、潜在顧客のナーチャリングや、既存顧客へのより良い情報提供やコミュニケーションを行いたい企業は、HR業界でもそれ以外でも数多くいらっしゃいます。プロダクトの使い勝手や、弊社からの支援やサポートの内容をより突き詰めていくことが、最優先ですべきことと考えています。さらに、より便利で、より対話の中でいろいろな課題を解決できるよう世界に貢献していきたい。最近話題のChatGPTを活用した新しいプロダクト開発にも取り組んでいます。さまざまな技術を組み合わせることでサービスを進化させていきます。

新規獲得から掘り起しまで全領域に対応

昨年からKUZENはPORTERSと連携していますが、HR業界のユーザーからはどのような期待感がありますか?

HR業界のコミュニケーションの特殊性にも関わってきますが、PORTERSのようなCRMと連携する重要性は非常に高いと考えています。求職者のステータスが常に変わるので、PORTERSにある最新の情報をLINE上でのコミュニケーションにリアルタイムに活用することは非常に重要ですし、逆にLINE側も状況をCRM側にリアルタイムで連携させることも大事です。こうしたコミュニケーションの最適化に貢献したいと思っています。

一方で、通常のSFAやCRMと異なり、求職者・求人・カウンセラーという三者が相互に関連しているので、複雑性としては極めて高くなります。また、一人の求職者に複数の求人が紐づいたりもするので、うまく処理しながら最適な情報を提供していくことが腕の見せ所かなと思います。

仕事探しは人生にとって大事なタイミングです。その中で、求職者とカウンセラーのコミュニケーションをより良いものにしていくことの価値は大きいと考えています。難易度は高いですが、そこに貢献できるのはワクワクしますね。

KUZENの導入を考えている企業様に、メッセージをお願いします。

「KUZEN」は、新規の求職者獲得から既存求職者の育成、ドロップした求職者の再取り込みなど、マーケティングの上流から下流まですべて、LINEの公式アカウントと連携させて行っています。離脱ポップアップ機能がないと上流に対応できない、1-to-1(有人)チャット機能がないと下流に対応できない、といったことがありますが、KUZENは機能として網羅していますし、サポートの実績や経験も豊富なので、アカウント構築から重要KPIの決定まで、あらゆる領域において知見があります。導入を検討されている企業様は、ぜひ一度意見交換をさせて頂ければ大変ありがたいと思っています。

最後にKUZENがこれから目指す未来を教えてください。

LINEは非常に重要な領域なので、注力するのは変わりません。ただ、弊社はもともとLINE以外のインターフェースも含めてご支援させてもらっていますし、顧客によってはLINEとWEBのチャットボットを両方使っていただいているケースもあります。複数のインターフェースをすべてカバーしているのが我々の価値なので、これからも大事にしていきます。