スタートアップを急成長させる人材は
今すぐチャレンジできて自らビジネスを創出できる人

世の中にイノベーションを起こす。そんな使命を持って設立されたスタートアップで活躍できる人材とは。また、そういった人材を確保するためにどのような採用パートナーが必要なのか。台湾で生まれ、日本でも市場拡大中のライブ配信アプリ「17 Live(イチナナライブ)」を運営する17 Media Japanの小野氏と、採用パートナーとして同社を支援し続けているfor Startupsから、担当の恒田氏に語ってもらった。

ライブ配信と聞いてアンテナが反応するか?

まず、小野様が17 Media Japanを立ち上げた経緯について教えてください。

小野弊社が運営するライブ配信アプリ「17 Live」は、3年前に台湾で生まれたサービスです。当初から可能性を感じ、私が投資をしたのが最初のつながりです。実際に「17 Live」は台湾で目覚ましい成長を遂げ、「日本にも進出したい」と昨年の春にリクエストをいただきました。そこで、17 Media Japanを立ち上げたのです。

今、個人がインターネットを用いて表現することは当たり前の時代です。日本はコンテンツバラエティに富んでいますし、一方でAKB48の総選挙のように、個人が個人を応援する文化もある。来年から5G(第5世代移動通信システム)が始まることもあり、ライブ配信市場が成長しない理由はないくらい環境が整っています。

恒田アジア圏でライブ配信市場が勃興しているとは聞いていましたが、台湾の人口は日本の6分の1で、GDPは10分の1です。けれど、ライブ配信の市場はかなり大きいと小野さんから話を聞いて、日本でも爆発的に拡大していくイメージが湧きました。

小野台湾はすでに、テレビよりもネットメディア市場の方が大きく、日本も2~3年後にそうなるでしょう。実際、これまでテレビにしか出ていなかったタレントも、AbemaTVなどに出演していますよね。エンタメの構造が大きく変わろうとしている中、その最先端に関わることできるのが17 Media Japanの魅力だと思っています。

大きな可能性があるライブ配信を、これから日本で広めていくフェーズにおいて、17 Media Japanではどのような人材を求めているのでしょう。

小野弊社もそうですが、日本におけるライブ配信サービスはまだ新しいので、これまでの経験を生かすことが難しい。前例のないルールを整備していく必要があります。そのため、従来の常識や業界構造にとらわれず、新しい地図を描いていく意志のある方を求めています。また、ライブ配信は新しい体験なので、実際に見るまで理解しづらいですが、話を聞いてアプリに触れたときに「これは来るだろう」と感じられない人は合わないでしょう。そういった“アンテナ力”を重要視しています。

恒田2009年にDeNAやGREEの国内ソーシャルゲームが勃興しましたよね。当初は“ぽちぽちゲーム”と呼ばれて、ゲーム開発者からは良い印象を持たれていなかったのに、あっという間に1兆円市場になりました。市場ができてからでは遅く、波が来ると思った瞬間に乗ることが重要です。これから5Gがきますし、ネットメディアがテレビをディスラプトする瞬間が来ることは明白です。それなのに、ライブ配信の話を聞いても何も思わない人は、センスがないと言わざるを得ないと感じています。

入社日が3ヶ月後では遅すぎる

事業内容によっても変わるかと思いますが、スタートアップに共通して必要とされるのはどのような人材だとお考えですか。

小野ベースとなるのは、会社・マーケット・産業すべてを自身で創っていく、と考えられる方ですね。成長産業や企業に入って自分を成長させたい、という方では難しい。なぜなら、そういう方はもらう一方じゃないですか。自分から与えるという発想や、切り拓いていく意志がないと、スタートアップで活躍することは難しいと思います。

恒田それと、スタートアップにとって重要なのはスピードですね。いい人材がいても、入社が3ヶ月後だと遅い。今、チャレンジできるかどうかが重要です。「貴社に共感したので、何とかしてすぐ入社します!」というパッションのある方ですね。

小野弊社も、すぐに入社していただける、という方とのよい出会いのおかげで、組織が一気に拡大しました。これが「入社できるのは2週間後です」だったら、集まった人員も規模も展開も、サービス開始時期もまったく違っていたと思います。

恒田小野さんはとにかくスピード感がすごい。私とはFacebookのメッセンジャーでやり取りをしているのですが、夜中の2時頃に「こういう方がいました」と送ると、すぐにレスが来るんです。そして「明日会いましょう」と。最初に推薦した方も、私が小野さんに連絡したのは朝7時だったのですが、その日の午後には二人で会っていましたから(笑)。

パートナーシップを感じるヘッドハンターとは

小野さんから見て、事業を成長させるパートナーという視点から、恒田さんのようなエージェントをどのように感じますか。

小野恒田さんはクライアントではなく、完全にパートナーシップですね。僕がリクエストしていないポジションでも、「この人は面白いですよ」「化学反応が生まれるのでは」と、弊社の成長になるか、ライブ配信の業界全体を盛り上げるか、という目線で提案してくれます。こういった方が欲しい、というリクエストに対しての提案しかないと、正直、あまりパートナーであると感じることはできませんね。

恒田スタートアップって一見、友人同士が集まっているイメージがあります。リファーラルは、親和性の高い人が集まりますが、逆に似たような人しか来ないこともある。すると、時代の波に乗れない可能性も出てきますよね。異能を集めるのが難しいんです。私は採用ニーズがあると言われた人材も紹介しますが、外から客観的に見て、「こういう人材がいたらこの会社はもっと伸びるだろう」と、リクエストされていない方も提案します。小野さんはそこに耳を傾けてくれるので、ヘッドハンターをうまく使っているという印象がありますね。

小野いい意味で、幅広いボールを投げてほしいですよね。通り一遍の人材は、どのエージェンシーも紹介してくれますから。世の中に対して新しいアンテナを持った方であれば、結果的に弊社には合わなくても、お会いして得られる価値はあります。弊社はどんな会社でポジショニングはどうか、自分では主観的な判断しかできませんが、客観的な視点を持った方とコミュニケーションすることが重要なのです。雑感の印象だと、価値にはなっても時間的コストへのリターンにはならないので、いろいろな経験や考えを持った方を紹介いただきたいです。

小野さんはこれまでいろいろな事業を手掛けてきましたが、人材によって事業がドライブした事例を教えてください。

小野グルーポン・ジャパンを立ち上げたときは、一年で1000名ほど採用しました。ソーシャルゲームの走りであるRekooを中国から日本に持ち込んだときもそうです。最初の一人は友人経由で入社しましたが、そこから4~5名を紹介会社経由で採用し、爆発的に成長しました。コアメンバーの採用はものすごく吟味しますが、最初のチームビルディングが成功しないと、停滞する時期が長くなるので、採用にはお金をかけるようにしていますね。

恒田大手エージェンシーからすると、スタートアップは非合理の世界なんだと思います。採用規模や年俸水準もそうですが、採用要件がハッキリしておらず、入社したヒトの特徴を見ては次に欲しい人材が変化するからです。それでも、私が17 Media Japanを非合理ではないと考えるのは、成長性があるから採用ニーズがどんどん膨んでいくし、何より小野さんと事業が魅力的なので、クロージングになる確率がすごくて。私たちがいいと思う方を紹介すれば、小野さんが自然と口説いてくれますし、面接をしたその日の夜に入社日が決まったこともあります。スタートアップでも、世界で勝てる可能性のある企業であれば全く非合理ではないんですね。

これからはどのような人材紹介会社が生き残っていくと思われますか。

恒田労働集約型と言われる仕事は、テクノロジーによって自動化されてなくなっていきます。人材紹介でも、一般的なレイヤーの採用ニーズはテクノロジーが満たすようになります。一方で、新しい市場を創造していくスタートアップでは、キーマンとなる人材ニーズがさらに強くなると思います。

少しずれますが、海外と比較すると、日本企業の採用力は報酬面で負けてしまいます。日本では、スタートアップで働くのが面白いとしても、その半分になってしまう。日本の競争力としての報酬水準を上げるために、いかに私たちが付加価値の創造をしていくかが課題です。

小野スタートアップでも、結果を出した方が評価されるのは当たり前です。それが当たり前の会社でないと、継続的な雇用関係にはなりません。そこは経営側として常に意識していますね。

恒田前職で幾らもらっていたから次もいくら、というオファー年収の前職スライドの考えはなくなっていくと思います。あなたはこの会社でどんな価値を創造できるか、ということが重要になっていくと思います。

小野その通りだと思います。最後になりますが、弊社ではCxO候補を募集しています。チャンスがたくさんある環境なので、興味がある方はぜひご連絡ください!

17 Liveとは?

スマホひとつあれば、いつでも誰でもどこにいてもライブ配信を楽しめる最先端アプリ。世界9ヶ国に展開、全世界4000万人以上を誇る。参加した方全員が一緒に盛り上がることができる様々なイベントや、新たなスターを生み出すオーディションなどを壮大なスケールで展開している。