一般社団法人 日本人材派遣協会の調査によると、2018年度時点で人材派遣会社の事業所数は、38,128か所となっています。数ある人材派遣会社の中から選ばれるために、中小規模の派遣会社はどんな戦略を立てなければならないでしょうか。

本記事では立ち上げ期の人材派遣事業者がどうやって差別化を図っていくべきか、ポイントを解説します。人材派遣業を営む経営者や事業責任者の方の参考になれば幸いです。

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  • 人材派遣はどんな事業?

     
     
    人材派遣事業とは、企業が派遣会社と派遣契約を結び、派遣会社が派遣スタッフを企業に派遣することで労働力を提供する事業です。

    派遣先企業と派遣スタッフの間には雇用契約は発生せず指揮命令関係のみ発生し、業務の指示を行います。一方、派遣会社は派遣スタッフと雇用契約を結びます。

    人材派遣には「一般派遣」「紹介予定派遣」の二種類があります。

    一般派遣では派遣の仕事を希望するスタッフが人材派遣会社に登録し、希望や条件とマッチした案件が見つかった際に派遣スタッフとして雇用契約を結び、一定の期間働きます。

    紹介予定派遣では一定の派遣期間後に派遣先の企業と派遣スタッフが直接雇用を結ぶことを前提にしています。 派遣先企業は派遣期間を試用期間と捉えて、試用期間の間に紹介予定派遣の派遣スタッフと直接雇用を結ぶかどうかを判断します。

    人事派遣事業のビジネスモデル

    人材派遣事業の売上は、派遣スタッフの労働力の対価として支払われる派遣料で成り立っています。人材派遣の売上は下記の式で表すことができます。
     

     人材派遣事業の売上=派遣スタッフの稼働人数×派遣スタッフ1人当たりの平均派遣料金×派遣スタッフ1人当たりの平均稼働期間
     

    派遣先企業と派遣スタッフのマッチング数の最大化を目指して事業を営むのが、人材派遣のビジネスモデルです。

    人材紹介事業との違い

    人材紹介と人材派遣の大きな違いは、人材紹介では企業が紹介した社員を正社員として直接雇用することが前提となっている一方で、人材派遣では派遣先企業と派遣されたスタッフの間に直接的な雇用関係がないことです。

    上記の理由から、人材派遣では派遣先企業側で派遣スタッフの面接や選別ができません。

    請負契約との違い

    請負契約とは、企業が業務をアウトソーシングする際の契約形態の一つです。請負契約の特徴は「成果物の納品」を約束する契約であり、契約に基づいて納品物の仕様や納品日が定められており、成果物が納品されることで報酬が発生します。

    派遣契約と比較した請負契約の違いとして、労働の結果としての成果物を完成させることを目的としているため、派遣先企業と従事者との間に指揮命令関係が生じないという点があります。