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【連載】選ばれる企業になるための採用マーケティング大全
【第4回】採用×動画の最前線 -前編-
※本記事はPORTERS MAGAZINE Agent Vol.38掲載記事です。
人材採用においての採用ツールが複雑化し、旧態依然の求人広告だけで採用できる時代ではなくなりました。またSNSの普及に伴い、検索エンジン・Webサイトだけで情報収集する若者は減り、ショート動画やYouTube動画などで企業の魅力を発信する会社も増えております。本記事では、[採用に活かせる動画]に注目して採用動画のノウハウを解説します。
今回は執筆にあたり採用動画で豊富な実績をもつ、株式会社hashigoya・長田様、株式会社NKインターナショナル・二宮様にも執筆にご協力いただきました。
【1】選考フェーズごとの動画
まずは選考フェーズごとの動画の活用についてお話しします。
動画は非常に効果的な手段ですが、ただ作るだけではその力を発揮できません。ここでは、選考フェーズを把握し、それに基づいて求職者との情報の標準化を図るための動画制作ノウハウをご紹介します。
左記は求職者が企業に出会い、応募し、選考を経て、最終的に入社に至るまでの一連の流れに対しての動画案となります。
本記事では[母集団形成時][選考時][内定承諾時]の3つのフェーズにおける動画活用案を記載します。
【2】母集団形成時の動画活用
母集団形成時での課題として、企業の認知がされていない、説明会予約が少ない、説明会当日欠席が多い、などがあります。
これらの課題に対しては[会社説明]および[インターンシップのダイジェスト]が効果的です。
[会社説明用の映像]
◉アニメーション映像などを使い、均一的な説明クオリティを担保しましょう。
◉基本情報を映像化することで、採用チームの説明リソースを削減しましょう。
[インターンシップのダイジェスト化]
◉ダイジェスト映像で学生へのテンションを高め、当日の雰囲気や参加者の声を伝えることで、学生の共感を得ましょう。
◉内定者にインターンシップ自体の企画から参画させ、後輩をインターンへ招待させるなどリファラル促進しましょう。
【3】選考時の動画活用
選考時には、説明会後のエントリーが少ない、面接後に途中辞退される、学生との接点が少ない、面接社員と学生のミスマッチなどの課題があります。
これらの課題に対しては、[現場社員のリアル]および[部長、役員クラスのお人柄]が効果的です。
[現場社員のリアルをコンテンツ化]
◉人事との面接面談だけでなく、現場社員を映し出し、「働く自分」をイメージさせることができます。
◉社員同士の関係性や社内の雰囲気を映像化、他社との違いを事前に伝えることができます。
[部長、役員クラスをコンテンツ化]
◉会社の将来やビジョンを対談映像にすることで、会社レベルの権威付けができ、憧れを生み出します。
◉選考時にトップ層の話を通じて学生とのマッチ度を高めることができます。
【4】内定承諾時の動画活用
内定承諾時には、他社競合を選ばれる、オヤカクで辞退される、承諾後に辞退される、1年以内に早期離職されるなどの課題があります。
これらの課題に対しては、[内定者限定][内定者以外のコンテンツ]が効果的です。
[内定者限定のコンテンツ]
◉限定コンテンツでプライオリティを上げ、内定の価値を高めることができます。
◉承諾/辞退理由を映像化し、各内定者へのアプローチに活用できます。
[to内定者以外のコンテンツ]
◉近年課題視されている「オヤカク」や「友達口コミ」に対して映像で効率的にアプローチします。
【5】さいごに
いかがでしたか。前提として、採用要件・手段・企業理念、すべて各社で異なります。
動画は特に若年層に対して有効な手段ではありますが、画一的な正解がないことも事実です。本記事が、今後の採用動画の制作において参考になりますと幸いです。
次回は、「採用×動画の最前線-後編-」として[企画][撮影][編集]のポイントについて詳しく解説いたします。ご期待ください。
著者 今村邦之
ナウビレッジ株式会社 代表取締役
1987年生まれ。米国アラバマ州立大学ハンツビル校にてマーケティングを専攻。2012年、第二新卒向けの人材紹介会社を設立し、代表取締役に就任。2020年に退職。同年10月に、デジタルマーケティングカンパニー・ナウビレッジ(株)を設立。創業3年間で200社の顧客支援を行い、うち100社様は人材紹介会社様向けに求職者獲得を支援。東京医科歯科大学デジタルマーケティング講座非常勤講師としても勤務。
共著プロフィール
株式会社hashigoya 代表取締役社長 長田幸洋
株式会社NKインターナショナル リクライブ 編集長 二宮翔平