Column/News
外部人材がもたらす事業変革
~営業・エンジニア・ラウンダーの連携で派遣の介在価値を高める~
ラウンダー 堀 華⼦ 氏(写真右)
エンジニア 三輪雄紀 氏(写真中央)
営業 ⼭本毬央 氏(写真左)
企業が派遣スタッフやBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)を発注するメリットや価値について、人材派遣事業を展開する株式会社GOOYAで働く社員に、対談形式で聞きました。GOOYAは2019年からラウンダーを配置し、仕事の質とサービス価値の向上に努めています。
ラウンダー配置の意義
三輪今日集まった3名は、取引先である「医療関連事業」を展開する某上場企業のプロジェクト(以下A社案件)の担当者です。私はエンジニアとして、このプロジェクトが発足された2021年から参画しています。参画当初はクライアント社内で使用する勤怠システムのテスト業務を任されていましたが、現在は同システム運用やキッティング(デバイスなどの初期セット作業)などを担当しています。
山本私は、主に取引先企業の新規獲得や就業先企業のフォローなどを担当しており、21年10月からA社案件の営業担当になりました。クライアントからヒアリングした情報や改善のアイデアなどは、随時ラウンダーの堀さんと共有しています。
堀エンジニアのフォローや、取引先企業への意見や要望の橋渡しは、ラウンダーの私が担当します。ラウンダーとは、エンジニア一人ひとりに配置する専属の相談役のことです。当社のラウンダーのポジションは、19年に新設されました。
三輪ラウンダーがいることで、派遣先企業や営業には遠慮して言えないことを話せるようになり、結果として業務の進行がスムーズになりました。日ごろからチームメンバーとたくさん会話をし、悩んだり迷ったりしていないかキャッチするよう心がけていますが、私は実務をしながら後輩の指導を兼任しているため、目が行き届かないことや手が回らないことが発生します。そんなとき、堀さんに相談すればすばやくフォローしてくれます。特に、当チームは女性エンジニアが多く、女性の悩みは私では理解しきれない場合がありますので、堀さんに相談できる安心感は、私自身の支えにもなっています。
山本当社は、エンジニアの男女比率が4対6で、女性が多いです。三輪さんはその点を意識しながらマネジメントしてくださいますが、堀さんのこまめなサポートが加わるおかげで、常駐エンジニアが企業から高評価を得て、短期案件から長期案件になるケースは少なくありません。A社案件においては、当初2名体制で参画させていただいたのですが、後により多くの業務をお任せいただき、現在は10名のエンジニアが参画しています。
堀山本さんや三輪さんを始め、現場で働く皆さんが情報を共有してくださるので、三方よしの方向へ整えることができています。異なる企業の社員が同じ環境で働くわけですから、話しにくいことや聞きにくいことは当然あります。営業が就業先の情報をうまくヒアリングしてラウンダーに渡し、ラウンダーが常駐エンジニアからの情報と合わせて最適解を出す。この循環が業務をスムーズにし、企業からの信頼につながり、未経験者の受け入れにも協力的になっていただけます。
山本当社としても、やみくもに「未経験者を受け入れてください」とお願いするのではなく、企業側が未経験者を受け入れられるタイミングを見計らいながら、例えば費用を抑える代わりに未経験者をプロジェクトに参加させていただくなど、どの立場からもメリットがある流れを作るよう心掛けています。
未経験者育成の課題と対策
山本未経験者の受け入れについては、企業側も積極的になってきた印象があります。企業として人を育てたい意思が強くなったように感じます。
堀当社としても、未経験者の育成には注力しています。オンライン勉強会や動画教材だけに頼らず、同じ職種のエンジニアを集めたオフラインでの勉強会も行います。実はこの勉強会、当社のエンジニアが業務の傍らで講師を担当してくれているんです。しかも講師は会社から任命されるのではなく、「やります!」と手を挙げてくれた人が引き受けてくれています。中にはエンジニア職未経験の状態で入社し、プロジェクトで数年間経験を積み、後輩育成のために講師をやってくれるようになったエンジニアもいるんですよ。
山本やはり、テキストやオンライン授業を見るだけでは、身に付きにくいですからね。エンジニアから直接話を聞けることも、オフラインで顔を合わせて話すことも必要です。
堀そうですね。未経験者向けには、常駐先企業で勤務する際の作法などを学んでいただく、ビジネスマナー研修も行っていますが、これは必ず本社に帰社してもらったうえで実施しています。ただ、もっとITの技術的な研修や、現場の実務に関する指導は私たちラウンダーだけでは教えられないので、エンジニアが担当してくれています。実は、三輪さんも講師のおひとりなんですよ。
三輪知識の習得はもちろん大事ですが、「なぜその業務をするのか」を理解して作業することで仕事の質が高まりますので、その点は最初にしっかり教えました。現在も、例えば「デバイスのキッティングをするには何を知らなければいけないか」を教えるといった指導を現場で実施しています。
山本たしかに、何のための作業かを理解するだけで、質と効率は高まりますね。
三輪先日も、ある企業のiPadの総入れ替え作業に多くの未経験者を採用し、先輩社員がフォローしながら、半年で2000台を交換しました。
山本部署の垣根を超えて、皆で育成して成長していく環境づくりは、企業として意識しています。
堀先日開催したネットワーク勉強会も良い例ですね。「実機を使用して実際につないでみるワークショップ」という初めての取り組みだったのですが、ネットワークの仕事に興味がある社員がたくさん集まってくれました。普段は別の業務をしているエンジニアも、今後のキャリアアップのために積極的に参加してくれて、質問も多く会話が弾み、社員同士の横のつながりを強める良い機会になったと思います。
三輪ラウンダーが横のつながりを取り持ってくれるので、後輩社員の育成やマネジメントもしやすく、私も安心して自身のステップアップができます。
山本営業にとっても、ラウンダーがエンジニアとの関係性づくりに専念してくれることは、大きな助けになっています。企業には直接確認しにくい点をラウンダー経由で参画しているエンジニアへ聞いてもらえるようになったことで、私たちは営業活動に専念できているので。
堀三輪さんは、今後エンジニアとしてどのようなステップアップをお考えですか?
三輪現在、私がリーダーを務めるA社案件チームを、いずれは後輩に任せて、新たに別の現場でチームを作り上げたいです。
山本実は、クライアントからいつも「三輪さんがもう一人ほしい」と言われます。三輪さんは技術者として素晴らしいだけでなく、リーダーとして後輩の育成に尽力しているからだと思います。
三輪自社や取引先企業の成長を考えると、現場を知る私からの指導や育成は、欠かせない業務の一つと考えています。
山本営業、エンジニア、ラウンダーが一体となり、チームとして派遣先企業や常駐エンジニアのニーズに的確に応える体制が、当社の強みだと思います。 今後は、A社案件を通して確立してきた連携体制を、新たなプロジェクトに活かしていきたいと考えています。
編集部の視点
「人のつながりとコミュニケーションこそが、仕事の質を高めて進行をスムーズにする」という意識を共有した組織であることが、話の節々から伝わりました。社員間はもちろん、取引先ともこまめにコンセンサスをとり、積極的に顔を合わせて話し合い、ラウンダーを配置して働くすべての人の心理的安全性を維持するGOOYAの社風は、派遣会社の介在価値そのものだと思いました。
企業情報
株式会社GOOYA
東京都渋谷区渋谷1-17-4 PMO渋谷10Fhttps://www.gooya.co.jp/
人材アウトソーシング事業(エンジニア派遣事業/オフィスワーク派遣事業)などを展開。