我々への依頼は“最終手段”。
最重要・最難関案件への挑み方。

日本におけるヘッドハンティングのパイオニアとして、40年以上の歴史を持つ東京エグゼクティブ・サーチ。人間力を重視して採用されたコンサルタントたちが、豊富なノウハウをもとに、あらゆる業界・業種のサーチを行っている。また採用よりも難しいとされる入社後のフォローアップ・アフタージョイニングも行うなど、企業からの信頼が厚い同社。その手法から今後のビジョン、人材紹介業の動向まで、幅広く語っていただいた。

転職市場に決して出てこない“潜在転職者”を決める最強メソッド

まず御社の概要について教えてください。

当社は1975年の創業以来、一貫してエグゼクティブ人材のサーチ及び付随したHR領域のコンサルティングに携わっています。黎明期は日本上陸直後の外資系企業に対し、当時希少価値が高かったグローバル人材を探索・紹介することが中心でした。その後、様々な外的環境の変化もあり日系企業のサーチ活用も普及してきたこともあり、現在はクライアントの70%強が日系企業です。一貫しているのは、原則契約の大前提をリテーナーとしていること。リーマン終了後はその水準は90%以上に回復しています。業種や業態に関しては、全業種・全業態への対応を基本戦略としています。。プロジェクト毎の傾向としては、以下の3つのいずれかに該当するケースが大半を占めます。すなわち1つ目に、極めて採用難易度が高いポジションであること、2つ目に極めて経営戦略上重要なポジションであること、そして3つ目に競合からの引抜などが前提とされるの機密性の高いポジションです。ヘッドハンティングは通常の人材紹介の数倍のフィーが掛かりますので、このいずれかに該当しなければ、コスト面などでクライアントサイドの投資対効果が見合わないため、他のエージェント様や別の採用手法のご利用をご提案します。

クライアント開拓はどのように行っているのでしょう。

当社案件の約7割は、人事部門が関与していないか、あるいは初期段階ではプロジェクトの存在が箝口令を敷かれ社内内部にさえも知らされていません。経営トップや指名委員会等からの匿名や極秘の問い合わせがあり慎重にプロジェクトデザインが行われます。こういう意味ではPULL型と呼べるでしょう。一方当社からは注目している企業等に各種セミナー経由のアプローチを模索したり、加盟している業界団体・経済連合会などの有力者に紹介を依頼するなどPUSHも積極的に行っています。大型案件故、受注までの工程が長くなる傾向もありますが、既存取引先から数年毎のリピートが多いこともエグゼクティブサーチの特徴です。

一方で、候補者のサーチの手法も、差し支えない範囲で教えてください。

“ピュアサーチ”が弊社の根幹となるキーワードです。具体的には“潜在の潜在である候補者群”。つまり転職市場に全く出てこない優秀な方をサーチし続けることです。一例で申し上げれば所属企業で幹部候補として順調に地歩を固めておられ水面下でさえもなかなか接触が難しい方々でしょうか。私共は基本的に、この層にアプローチと接触が行えることを最大の差別化要因と捉えています。

サーチ手法はさまざまですが、最近の傾向でユニークな例をご紹介致しましょう。最近流行のゲームプランナーのサーチ例です。弊社のコンサルタントはターゲット人材が携わったと仮定されるゲーム作品のエンドロールを動画サイトや実際にプレイしてクリアまで行き着いて(笑)眺めて名前を割り出します。その名前を各種SNS等で照合しコンタクト可能なポイントを見つけて接触を図っていくなど日々、泥臭いことを繰り返しています(笑)。「どこに」「どの人材が在籍し」「どうアプローチすれば」接触できるのか、そういう仮説立案力と検証力が最もサーチコンサルタントに必要なスキルの一つと捉えています。

当社では月に何度か上記のような事案研究会を行い、サーチの新しいメソッドや成功事例を共有して、コンサルタントたちの育成に繋げています。

エグゼクティブといかに対峙できるか

これまでに成約した案件で、どのような印象的な事例がありましたか。

最近の大型案件としては、とある上場企業の社長後継者の案件等でしょうか。コーポレートガバナンスの問題もあり最近では創業家がそのまま継承しないことも多くなり、あるいは継承したとしても我々のようなコンサルティング会社のアドバイザリーを求めて判断を慎重に行うケースも増えてきました。単純に外部からの人材招聘のニーズを丸呑みするだけでなく、社内の有力人材のアセスメント、指名委員会や取締役会との協議を重ねて後継者に求められるスペックの算定と助言を行い、総合的なHRソリューションを提供しました。結果は当初の予定通り、内部昇格ではなく外部からの社長招聘となり、年収は数千万円のプロ経営者の某氏が選出されました。純粋な紹介プロセスのみならずクライアントサイドの経営の実態や問題、課題を共有したコンサルティングの提供が必須となってきています。

また、サーチコンサルタントに必要とされるのは、もちろんビジネスセンスや専門スキルは言うに及ばず。それにも増して、クライアントサイドやキャンディデイトサイドのエグゼクティブと対峙していくために高い人間的魅力が必要と考えています。ビジネスマンとして一流であることと同時に例えば趣味の分野などでも1つ2つ嗜むものを磨き、公私共に魅力ある豊かな人物像を目指したいものです。

エグゼクティブならではの定着率支援

入社後、候補者が定着するためには、どのような支援をしているのでしょう。

そもそも人材紹介というのは採用することより入社後の定着の方が難しいものです。シビアに捉えれば紹介した候補者が入社した後、5年後も入社時点での高い期待値に沿って活躍し在籍している確率は、50%前後かもしれません。当社では、入社後の安定した活躍と定着を重視しクライアントに対し、定着化のための支援を行っています。いかに優秀でインターパソナルスキルが高いキャンディデイトと言えども、入社直後は不安定なものです。トップの後ろ盾があったとしても対立派閥の経営幹部から色々な妨害を受けたりすることもあります。そういう組織で起こりやすい各種症例を纏め、他社事例と合わせてクライアントサイドのカウンターパートナーにコンサルティングサービスとして提供し、サポートを行っています。

コンサルタントはサーチ、交渉、アフターフォローなど多岐に渡るスキルが求められますが、どのような採用基準を設けているのですか。

弊社には現在、20代から60代まで幅広い年齢のコンサルタントが20名程度在籍しています。ほぼ全員が人材業界の未経験者です。サーチビジネスにおいては、一般的な人材紹介業とは異なるスキルや考え方、柔軟性が求められるからです。この仕事に限りませんが、人様の仲介に従事するビジネスとして、人としての目配り、気配り、心配りができる人間力も大事ですね。倫理観・なぜサーチビジネスに取り組むのかという哲学やビジョンなど、伝統的に人間性を重視した採用を行ってきており、最近ではそのポイントをより重視するようにしています。

紹介会社のフィーは間違いなく下がる

日本の人材紹介マーケットは、今後どのように変化すると予測していますか。

規制緩和も進み、マーケット自体は当面拡大傾向が続くと思います。それに伴いまして先進諸国やアジア諸国の同業他社を鑑みるに、日本の人材紹介の平均フィーは今後15%~20%程度まで低下する可能性もあると思います。

もちろん少子高齢化が解決せず若年労働力の経営幹部の採用競争が激化の一途を辿った場合は、そういったポジションのフィーは上昇傾向に向かうかもしれません。欧米のトップサーチファームはタイムチャージ制など高い報酬体系を維持していますが、世界全体から見てもフィー相場は低下傾向です。ビズリーチ様などの新しいインターネットメディア等の台頭もあり、ダイレクトリクルーティングの手法を取り入れればクライアント企業サイドでも人材データベースへのアクセスが可能な時代になりました。

そういった中で各社各々が差別化を徹底せねばならないでしょう。特定の職種や業界に圧倒的なアドバンテージを持つことも一例でしょう。クライアント企業も人材会社を評価する目が肥えてきた時代に入りました。市場のパイは拡大しても、フィーに見合った付加価値を生み出せているのかどうか。方々からシビアな目にさらされる「拡大と淘汰の同時進行の時代である」と私は現状を捉えています。

最後に御社の今後のビジョンを教えてください。

サーチビジネスの王道を歩み、引き続きピュアサーチの技法に磨きをかけ、採用難易度の高いポジションでクライアントの期待に応え続けていきたいと思います。「採用の最後の防波堤である」高いフィーを頂戴するエグゼクティブサーチは、かくの如くあるべきと心得ています。そしてコンサルティングスキルも合わせて研鑽し、「HR領域におけるクライアントのプライマリーカウンセラーであるべきである」私は口を酸っぱく社員にビジョンを示しています。地に足の着いたサービスをクライアントファーストでコツコツと。創業50周年に向けて1歩ずつ歩んで参りたいと考えています。