高い目標とそこへ向かう努力によって、その男は新たなステージでもトップに立った

礼儀正しくて柔和な仕草と、知性を感じさせる言葉の選び方で、梅田は自分が歩んできた道のりを淡々と語った。その口からは、「努力」「ストイック」「雑草魂」など泥臭い言葉が幾度も飛び出した。徹底的に自己分析し、自分を見つめ直すことから始まったコンサルタント人生と、日々心がけているマインドや仕事術の一端を紹介する。

あらゆる業界で不変の営業マンとしての役割

梅田には常に持ち続けていたものがある。向上心やストイックさが入り混じった、いわゆる“雑草魂”だ。目標を高く持ち、そこに向かって努力できるかで、人間の成長の度合いは左右されるとトップコンサルタントは断言した。

元々医療業界に興味はあったが、就職活動の結果、JA福岡豊築に入社。事務を2年経験した後、営業部に異動。志望業界に入れなかった悔しさを持ち続けていた梅田は、本人の言葉を借りると「馬車馬のように」働き、営業1年目、2年目と目標を達成。特に2年目は、社内でもトップの成績を残した。それをきっかけに、医療業界で働きたい思いが再燃してきた。

「もっと、自分はやれるはず。もっと自分の可能性を追求したい、と思いました。それで、医療業界に携わりながら営業ができるSMSに転職しました」

医師・看護師に特化した人材紹介や転職サイトを運営するSMSで、梅田の新たなステージが始まった。

「入社してから一ヶ月間の研修はありましたが、とにかく営業の日々で、仕事は働きながら覚えていくという信念を持って、前職で学んだことを生かしながら、日々学んだことを組み合わせて営業をしていきました」

前職で扱っていたのは金融商品【信用・共済(保険商品)・ローン・年金獲得等】。お会いした方の話に耳を傾け、その方のライフプランに合った商品を提案する仕事だった。業種こそ違えど、人材ビジネスも同じ。目の前の方に向き合い、満足していただくことが役割だと思い取り組んでいった。

だが、営業スタイルに大きな違いがあった。前職では対面営業だったが、SMSでは求職者へのアプローチからニーズのヒアリング、最適な転職先の紹介、履歴書の書き方や面接対策まで、基本的に全て電話・メールで行うスタイル。求職者と会うのは、面接で同行するときが初めてとなる。相手の表情が見えれば、様子や仕草を見て会話ができるが、電話では見えづらいため、どのように対応すれば良いのか悩んだ。しかも周りは優秀なコンサルタントばかりで、自分だけ取り残されているのではないかと思うこともあったが、ここでも持ち前の雑草魂が発揮された。

顔の見えない相手と距離を縮めるためには

ここで成果を出すために何をすべきか自問自答する中で、入社当初は我慢の営業を続けた。

「初めからできる人はいるかと思いますが、自分はコツコツ努力して積み上げていくタイプ。基礎があれば上昇していけると確信していました。自分には何があって何が足りないのか?そう思い、周りのコンサルタントのやりとりを観察していましたね(笑)。けれど、ただ真似をするのではなく、自分の良さも出さないといけない。思考錯誤していくうちに、自分のトークの形ができてきました」

相手の立場になって考えるうちに、少しずつ電話越しでも相手の考えが分かるようになってきた。例えば興奮すれば声が大きくなる。良い反応や拒否反応を示すときは、それぞれ声のトーンが変化する、など。相手の心理状態を意識し、欲していることを読み解きながら会話を進めると、距離が自然に縮まる。すると、自分の言葉一つひとつが、より相手に響くと実感できるようになった。

「履歴書の書き方から志望動機、面接時の質問内容まで一緒になって考え、万全の状態で面接に臨んでいただきます。このとき、求職者とのリレーションを通して距離を徐々に近づけ、一体感を持ち『一緒に面接を頑張るんだ』と意識してもらうことが転職成功への近道だと考えています。またペースを緩めると熱も冷めてしまい、リードタイムがただ延びるだけなので、1週間以内の面接実施を心がけています」

SMSでは、コンサルタントが企業との面接に同席するかは、現場及び自己判断となっている。梅田は多忙であっても、常に同席するようにしている。もし、企業・求職者の間で意思疎通がうまくいかないことがあっても、自分が間に入ることですぐに解決したいと思うからだ。また求職者に満足してもらうことで、転職意欲のある友人の紹介に繋がり、さらなる成果へ繋げている。梅田の快進撃が始まった。

数を追うよりは「一面談、一設定、一成約」を追求する

入社1年目、5ヶ月連続で目標を達成した。2年目にリーダーへ抜擢されるが、未熟さを痛感し、自分を見つめ直すために現場に戻りたいと志願。現在は再びコンサルタントとして活躍し、6ヶ月連続で目標達成中だ。梅田が最も強く意識しているのが、「一面談、一設定、一成約」というその考え方。自分は数をこなすタイプではなく、一人ひとりの求職者にじっくり向き合うタイプだと自己分析した上で、目の前の求職者を確実に転職成功へ導くことが信念なのだ。 「私が担当するエリアに、求職者の理想を全て満たせるような職場はまだ少ない。だからこそ、その方の求める不変な条件だけを解消しつつ、理想と現実をしっかり理解してもらい、今の職場と比較して1つでも2つでも良い職場を見つけましょう、と常に伝えています」

求職者の理解を得ることで早期退職を回避し、そのリスクを負わぬよう、求職者・企業双方の満足度を追求し、長期的に働いてもらえるマッチングを心がけている。常に質の追及を求め、成果を毎日逆算し、足りない数字に向き合うことで行動管理を徹底しているのだ。

「私が一日に電話をかけるのは、大体20~30人くらい。あくまで電話が繋がった方に対し、次の展開を意識して進めるスタイルです。電話をかけるときも、自分の携帯や会社の固定電話、フリーダイヤルを使い分け、言葉を選んで留守番電話に入れたり、メールの文章を作ったりと、『相手は自分のことを見ている』という意識を常にもっています」  勤務時間は9時30分~19時が定時。20時30分までは残業が許されているが、それ以上は一切認められていない。限られた時間の中で成果を出すべき、という同社の社風も、自然と効率の良い方法を作り出しているのだろう。

求職者は最初、コンサルタントの姿や能力は見えない。
だからこそ、話しやすく心が許せる相手を選ぶものです。
選んでもらうために、どういう接し方をするべきか、常に意識しています

今後生き残れる真のコンサルタント像

コンサルタントになったばかりの頃、転職が決まった求職者から、「梅田さんが担当だったからこそ内定をいただけ、私も頑張ることができました」と感謝の言葉をもらったことがある。その瞬間に、仕事に対する視点が変わったという。

「人生の転機である転職に立ち会い、さらに感謝の言葉をいただけたことは、とても嬉しい出来事でした。感謝されることでこの仕事のやりがいを実感しました」

梅田が担当する岡山エリアで、求職者は平均2~4社の紹介会社に登録している。紹介会社の数も増え、求職者もコンサルタントを選定しているため、選ばれるコンサルタントであり続けたいと梅田は言う。

「求職者は最初、コンサルタントの姿や能力は見えない。だからこそ、話しやすく心が許せる相手を選ぶものです。選んでもらうために、どういう接し方をするべきか、常に意識しています。また、コンサルタントとして転職のサポートをするだけでなく、『自分のファンを増やしたい』という思いも強くあります」

成約したらそれで終わり、ではない。入社後も企業・求職者に感謝の気持ちを持ち続け、信頼関係を継続してこそ、真のコンサルタントと言える。そんなコンサルタントこそが、今後生き残っていく。梅田はそう断言し、自分もその像を目指していくと語った。

そんな梅田の休日は、仕事のことはすっかり忘れてオフモード。映画館へ行ったり、読書をしたりして過ごしているそうだが、最近は職場の先輩の子供とよく遊んでいるのだという。

「もともと子どもはそんなに得意ではなかったのですが(笑)、求職者の女性看護師が面接に行っている間、その方のお子様を私があやしたことがありました。そのとき『子どもって可愛い!』って思うようになりました。仲の良い先輩と、そのお子さんと一緒に公園に行って遊ぶのが最近の楽しみです」

柔和な笑顔で梅田はそう笑う。コンサルタントとして、これまでに「やりきった!」と言える充実感はまだ無い。ご縁があった求職者に対し、完璧なサポートもできたことがない。常に自分にそう言い聞かせ、自分を鼓舞することで、さらなる高みを目指している。いつか大きくて綺麗な花が咲いたとしても、梅田は持ち続けてきた雑草魂を決して捨てないだろう。