成約数1.7倍、アポ取得数8倍の企業も。マルケトが人材ビジネスで効果的な理由

人材ビジネス企業にとって、求職者の開拓や関係構築は大きなカギである。ただ媒体を使うだけでなく、いかに行動・属性を把握し、最適な情報提供を行うか。そのために、多くの人材ビジネス企業が活用しているのが、マルケトのクラウドサービスだ。どのような仕組みで機能し、人材ビジネスにおいてはどのように効果が発揮されるのか。実際に導入した企業の実例も交えて紹介する。

マルケトが人材ビジネスで効果を発揮する理由

最初に御社の企業概要と、ビジネスの特徴について教えてください。

マルケトは米サンフランシスコに本社を持つ企業で、マーケティング業務を高度化するためのクラウドサービスを提供しています。日本法人は設立して4年目になりますが、ユーザー会員数は既に1500名に達しています。今マルケトを多くの企業が選んで下さる主な理由は、専業ベンダーならではの製品力、活用支援、エコシステムの3つがあります。

まず製品力ですが、マルケトは専業ベンダーとして全経営リソースを自社のプラットフォームに投下しています。直近ではGoogleCloudとの戦略的提携によるAI機能追加などが発表されています。製品としての使い勝手の高さや、新機能が追加されるスピード感は、専業特化したプラットフォームならではです。

ただ製品力が高くても、ユーザの方に成果を出していただけないと私どもの存在意義はありません。そこで、日本語の手厚いサポート窓口を設け、オンライン上で日本語の詳細な設定方法を公開し、また利用されているお客様が学びあうオンライン・オフラインのさまざまな場をご用意するなど、確実に活用を進めていただける仕組みをご提供しています。

最後がエコシステムです。現在世界で7,000以上のマーケティングツールが存在しており、さらにその数は今後も増え続けています。この領域をベンダー一社の仕組みでカバーすることは難しく、マーケティング部門の方は目的に応じて複数の仕組みを組み合わせて業務に取り組み、成果を出す事が重要となっています。マルケトはオープンなプラットフォームとして、現在700以上のツールと連携しており、その実現をお手伝いすることに長けています。

人材ビジネス業界でも、御社製品を導入している企業はたくさんあるのでしょうか。

はい。さまざまな業界で利用いただいているなか、最もお客様が多い業界の一つです。国内外の最大手から数十人規模まで、求職者側(B2C)・企業側(B2B)それぞれでご利用いただいております。マルケトは人材ビジネスにおいて、“求職者との関係を維持・強化”し、“求人企業の営業支援”を行うプラットフォームとして機能しています。

どういった理由で、人材業界での導入社数が多いのでしょう。

人材紹介と人材派遣は顕著ですが、求職者との関係を長期的に維持・強化することが重要です。いますぐには転職のニーズの無い求職者とも関係を維持し、いざ転職活動を始めようと思ったタイミングで、即座に適切な情報提供をする。マルケトをつかうことで、問い合わせ前のアクションや、オンライン上の行動から見える傾向や志向を検知できます。そこから収益を拡大し、顧客満足度を高める。それを実現するための仕組みがこれまでは無かったからではないでしょうか。マルケトではこのような企業の取り組みを“エンゲージメント・マーケティング”という言葉で表現し、その実現をお手伝いしています。

紹介・派遣に限らず、求人メディアなど、人材ビジネスであれば種類を問わず活用できるのでしょうか。

はい。人材紹介、人材派遣、中途・新卒・アルバイト、パート向け転職サイトなどあらゆる事業で活用していただけます。例えば人材紹介であれば、一般的に就業決定数が重要ですが、それを最大化するために休眠状態の求職者を掘り起こすことが可能です。一方派遣では、長期就業してもらうことが大事なので、更新のタイミングでどうフォローするか。求人メディアであれば、いかにユーザーを活性化してエントリーしてもらえるかなど、同じ人材ビジネスでもそれぞれ課題は大きく異なりますが、その解決をお手伝いすることが可能です。

“属性”と“行動”を把握しエンゲージメントを高める

御社製品で、求職者・企業とのエンゲージメントは、具体的にどのように行うのでしょう。

一人ひとりの顧客に対して、その人がどんな方なのか、今何にどれくらい関心を持っているのかなどに合わせて、最適な内容・方法・頻度で情報を届け、関係を維持・強化していきます。例えば、今は転職への関心が低い方にはキャリアに関するTips(助言、コツ)のような情報を低い頻度で、一方で高い方にはその方に合った求人情報を高い頻度で送る、ということを行います。マルケトでコントロールできる顧客接点は、メール、WEBサイト、アプリ、動画、SNSや広告との連携などのオンラインだけでなく、オフラインの営業、店舗、紙のDMなど多岐にわたります。残念ながら面談を行った後、ご縁が無かった求職者の方が久し振りにWEBサイトに訪れたら担当コンサルタントに通知しすぐにフォローする、重要な情報をメールで届け二度開封してもらえなかった人にだけパーソナライズした紙のDMもしくはLINEのメッセージを送る、といったことが簡単に実現できます。

求職者の場合、どういった情報をもとに、パーソナライズしたコミュニケーションを取るのですか。

求職者には「属性」と「行動」の情報があります。「属性」は人材、年齢、キャリア、住んでいる場所、働きたい場所、興味のある職種など。「行動」は、閲覧したWEBサイト、メールで開封・クリックしている求人情報などがあります。この組み合わせが重要です。例えば、以前営業という職種に興味があると登録していたとしても、その方が直近コンサルタントという別の職種に関する情報を閲覧していたら、今伝えるべきはコンサルタントに関する情報ですよね。このように、「属性」と「行動」の情報を把握し、それに合わせたコミュニケーションを行います。

情報を収集した後は、どのような流れでエンゲージメントを高めていくのでしょう。

ざっくりとご説明すると“アナリティクス”・“オートメーション”・“AI”の3つの流れになります。まず“アナリティクス”。これは収集した求職者・企業のデータを収集して分析していくというものです。次の“オートメーション”は、「誰に」「何をする」「このタイミングで」というマーケターが発想する顧客へのアプローチのシナリオを設定・自動実行するものです。最後の“AI”では、このうちの「誰に」や「何をする」を、機械学習を活用して最適なものにしていきます。この3つの機能を活用してPDCAを回し続け、求職者・企業とのエンゲージメントを高めていくのです。

理想のマーケティングを追求する人材業界特化したユーザー会分科会

マルケトを導入し、成果が出た人材会社の事例を教えてください。

はい。人材紹介事業の株式会社パソナ パソナキャリアカンパニー様では、求職者側でご活用いただいており、新規獲得が困難で、面談設定に至らなかった休眠顧客が蓄積・増加しているが十分な手が打てていない、「まずは情報収集」という転職意欲が高くない求職者が増加し長期間のフォローがしきれない、といった課題感をお持ちでマルケトをご導入いただきました。導入から1年が経過した時点で、登録から一定期間経った求職者からの面談が1.5倍・成約が1.7倍まで増加し、収益拡大に成功されています。

一方新卒採用のダイレクトリクルーティングに特化した株式会社i-plug様は、企業側でご活用いただいています。導入前は電話営業では思うようにアポが取れなかったところを、オウンドメディアの立ち上げやリード・ナーチャリング(※見込み客の育成)、ホットリード(※購買意欲が高い見込み客)の方へのアプローチなどで、営業効率が大幅に向上を実現されました。月30件のアポが230件に増えたそうです。マルケトは企業・求職者のそれぞれのエンゲージメントで、また大企業からスタートアップまで活用可能な仕組みとなっています。

導入企業による交流会や勉強会も活発とのことですが、具体的にどのような会なのでしょう。

導入企業の皆様によるユーザー会の活動が活発に行われています。分科会も多数設立されており、同じ業種や共通の課題を持ったユーザーが集まって、さまざまなテーマでの勉強会やネットワーキングをされています。人材業界に特化した分科会はあたまに「HR」をつけて『HRKETO(ハルケト)』という名前で、60社120名以上の方が登録し、隔月程度のペースでイベントを開催するなど活発に活動されています。具体的な内容としては、マルケトを活用してどう事業を伸ばすか、社内をどうやって巻き込んでいくか、自社でどのような取り組みが成果につながったか。他の業界で活躍するマーケターに来てもらったり、グループワークをしたりとさまざまです。マルケトを活用して自社の事業を伸ばしたい、業務を変えたい、新しいことに挑戦したいという志を持ったマーケターが集まり、人材業界のマーケティングについて熱く語られています。

具体的にどういったことを話し合っているのでしょう。

例えば、求職者の立場に立つと、求人紹介メールはときにすごい量が送られてくることがあります。マーケターとして、本来はその一人の求職者の方に合わせた最適な情報だけを、その方が本当に必要なタイミングにだけ、一番求められているチャネルからお届けしたい。それを通じてエンゲージメントを高めていきたい。企業単体ではなくここにいる企業全体であればもっと出来ることがあるのではないのか、というようなことを真剣に議論されています。

ありがとうございました。最後に今後の御社の目指すビジョンを教えてください。

今後、マーケティングや営業活動におけるテクノロジーの活用はますます大事になっていきます。企業が消費者にメッセージを届ける事、消費者の意思決定に関わる事、消費者の期待を超える事はどの業界でも難易度が高まっており、かつそのためにはテクノロジースタック(※ビジネスゴール達成のために最適なテクノロジーを組み合わせて活用すること)を構築できるかが重要になっていきます。マルケトはまさにそれをお手伝いするための専業の会社・プラットフォームです。導入企業様のさらなる成功をお手伝いすると同時に、まだご縁の無い企業様にも少しでも知っていただき、少しでも使っていただき成果を出していくことで、微力ながらではありますが、今後も日本の人材ビジネスに寄与していきたいと考えております。