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人材ビジネスにおける新型コロナウイルス対策調査【人材派遣業 編】
実施期間:2020年4月8日~4月22日/有効回答数81 対象:ポーターズマガジンご購読者・セミナーご参加者の人材関連事業に従事する方
100年に一度と言われるコロナ危機、ポーターズマガジン編集部では、緊急事態宣言下の人材派遣会社を対象に意識調査アンケートを実施した。 調査アンケートの集計結果と考察を紹介する。
1.回答者の属性
2.コロナウイルスによる事業への影響と業績見通し
4月中旬の時点で、8割の回答で影響が出ており、現在はさらに影響範囲が広がっていると考えられる。また業績の見通しとしては、下方修正する企業が多く見られた。一方で変更がない企業もわずかだが存在した。事務派遣と、短期派遣、看護・保育派遣の領域の企業となっている。
3.派遣スタッフへの対応状況
派遣先企業も、在宅勤務等の制度ないところ、場合によって間引き出勤、休業もあっただろう。混乱状況の中で、派遣先からの要請は、休業や在宅勤務の要請が67%、更新の停止や取引の縮小も60%と大きく影響していることがわかる。なお、4%の企業が契約の増加があったと回答しているが、同時に縮小についても選択されており、業種や企業によって一部契約増があったと思われる。その他の影響として、顔合わせ日程の延期、新規契約予定の延期、短期単発による案件停止という回答があった。
“派遣先からの要請への対応として基本的に応じている派遣会社が多い。また、テレワークの際は別途書類を取り交わした企業も見られた。 また、これらの要望に応じていない企業も6%あった。応じてない企業の派遣領域は、事務派遣、エンジニア派遣、製造、コンサルティング、サービス業と偏っておらず企業ごとの対応の違いと言える。
“自社の派遣スタッフに関する対応状況、休業や自宅待機が8割の企業で見られた。休業や自宅待機を実施していると答えた企業のうち、88%が休業補償を実施しており、残りの12%も実施を検討している。また、就業時間や日程の調整も多かったが、フレックスを実施している企業も40%に上った。 派遣スタッフの生活を守りつつ、事業継続を模索する様子が見られる。
派遣スタッフのテレワークを実施している企業が前項で52%であったが、そのなかで実施している施策を聞いた。派遣先のテレワーク要請に従い、派遣先がPCを貸与する場合はもちろん多いだろう。ただ、通信費や交通費の調整などは派遣元でも対応が見られた。また、Webカメラやヘッドセットといった備品の手配なども考えられる。 フリーコメントでいただいた中では勤怠管理もオンラインの管理をしていないところは、PDFや画像での確認や承認など行っているが、業務が煩雑となり、対応コストが増大していたり、調整した時間分の請求が出来ないというコメントがあった。 またテレワークでの考慮は派遣スタッフに限らず、情報セキュリティが挙げられるが、派遣先と協力しセキュリティ面の書類整備や、スタッフのケアや報連相に時間を費やしているようだった。
3.派遣社員のテレワークでの考慮点
派遣スタッフのテレワークについて考慮すべきだと思った点と、実施した上でのメリットやデメリットを聞いてみた。 メリットがあった、またはデメリットが無かったと答えた方の中には以下の点を挙げていた。 感染拡大防止はもちろんのこと、「やってみたらテレワークが実施可能なことが分かった」「通勤時間がが削減できた」「オリンピック開催時の練習になった」などの意見もあった. デメリットに関しては、家族の問題を含めた、モチベーションや集中力の問題を出した方が多かった。その他には、ネットワーク環境や、業務内容の整備がテレワークにマッチしてないなどのコメントが多く見られる。クライアントやスタッフの関係性だとマネジメントや管理のしにくさ、案件の低下、クライアントの業務指示の不明確さなどが懸念点として挙がった。
派遣会社のテレワーク実施で利用しているツール。以前よりスタッフとはLINEやメールなどのやり取りは合ったかと思う。テレワークになって取引先や社内会議でのオンライン会議システムの需要が伸びていると思われるが、派遣会社は紹介事業者よりはオンライン会議システムの利用率は低かった。
4.有事の際の人材派遣ビジネスにおける対策
withコロナ、afterコロナに向けて、今後のリスク軽減のために、何を推し進めていくかという問いに関しては、やはり派遣先との有事に向けた協議や、テレワーク環境の整備が挙げられる、その他、人材事業では 紹介事業や高スキル人材の派遣の強化が高く、人材サービス以外の新規事業開発も必要性を感じていることが分かった。
ポーターズ編集部では、人材業界におけるコロナの影響は長く続くことが想定され、非常に苦しい時期を業界で継続的に調査を行いたいと思う。この状況への打開策や取組みについても個別企業へのインタビューとして掲載していきたい。