事務系求人に表れたコロナの影響
――まず、御社の派遣事業の特徴について教えてください。
財部氏)弊社はIT人材に特化した派遣サービスを行っています。
もともと、親会社であるキャリアデザインセンターの事業部のひとつでしたが、
2013年に独立。コーディネーター12名、営業40名で派遣事業を運営しています。
――今回の新型コロナは、派遣事業にどのような影響がありましたか?
長谷氏)求人が一時は7割ほど減少しました。IT系職種はそこまで影響を受けなかったものの、弊社は事務系も多く扱っており、顕著に求人が減りました。現在は5割減くらいにまで回復しています。一方で、求職者は増加傾向にあります。
財部氏)業務の進め方も変わりましたね。例えば求人開拓の際、企業に対してメールマーケティングを始めました。テレアポでオフィスに電話をかけても、在宅勤務の企業が多く、なかなかつながらないからです。候補者の職場見学や企業面談も、オンラインで行うことが増えています。
求めたのは営業支援にも使えるシステム
――PORTERSをご利用いただいていますが、どのようなきっかけで導入されたのでしょう?
財部氏)これまで勤怠管理に特化した他社のシステムを使っていたのですが、営業支援には使えませんでした。データは入力できても、それ以上のことができず、単なる入れ物としてしか機能していなかったのです。そのため、営業支援として使えるシステムに切り替えることにしました。
――どのような点が決め手で、PORTERSを選ばれたのですか?
財部氏)システムを入れ替える場合、業務に支障をきたさないよう、わかりやすさや使いやすさが大事になります。PORTERSは、UIや画面遷移など、見やすさや操作性で優れていました。機能でも、営業支援システムとしても使えますし、企業開拓から稼働までの一連の流れが一目でわかる点もよかったです。何より、長期的に利用する場合、急にサービス終了などがあると困ってしまいます。その点、ポーターズさんは企業として信頼できるため、安心して導入できました。
――PORTERSの導入前は、進捗やKPIなど、営業管理はどのように行っていたのでしょう?
長谷氏)ジョブ打診数、リードタイムなどは取れておらず、KPI指標もアナログな方法でとっておりました。例えば、営業への紹介依頼数(営業への人材推薦)は、コーディネーターと営業のメールのやり取り履歴から、アシスタントが手作業で集計し、Excelに入力していました。
職場見学の数は、ホワイトボードに書いて把握するやり方でした。
財部氏)今はキティのレポート機能で、個人と会社全体の数字を月次・週次で出し、クォーターで見ています。
――〝キティ〟とはPORTERSのことですか?
長谷氏)そうなんです、社内ではキティと呼んでいます!
弊社の紹介システムがBTY(ベティ)、PORTERSは稼働到達システムなのでKTY(キティ)なんです。親しみやすい呼び名の方が浸透も早く、入力漏れも減るのでは、という思いも込めています。ちなみに弊社では、次の月に稼働しているスタッフ数を〝稼働数〟として、KPIのひとつにしています。
――かわいい呼び名をありがとうございます(笑)導入後、具体的に表れた成果があれば教えてください。
長谷氏)紹介依頼数(営業への人材推薦)が圧倒的に増えました。以前は週に15件もあればよい方でしたが、今は新人でも20~30件は出しています。候補者へのジョブ打診や成約も、倍くらいに増えています。コロナの直前には、稼働人数が歴代一位になったほどです。
非効率的な業務やミスを解消
――業務効率化という観点ではいかがでしょうか?
長谷氏)かなり助かっています。大きいのは、候補者に求人をメールで紹介するとき。以前のシステムのときは、求人情報を3社分ほどGmailの本文にコピペし、候補者に送っていました。PORTERSではメールのテンプレートがあるので、紹介したい求人内容が自動的に反映されます。また一括ジョブ打診も、以前は送る前にメールの体裁を整える必要があったのですが、PORTERSでは定型メールでそのまま送信できます。効率化された分、ジョブ打診のボリューム増にもつながっています。
財部氏)面談をした候補者がその後どうなっているか、これまではチームごとのExcelファイルを確認しないと、マネージャーも把握できませんでした。今はPORTERSで一元管理できるため、
ダッシュボードから一目で確認できるので、そういった点でも効率的になりました。
――PORTERSでほかに便利だと感じている機能があれば教えてください。
財部氏)カスタマイズのしやすさです。弊社の営業は人数が多く、業務フローなどに変更があったとき、全員に浸透させるのが大変でした。例えば最近、コロナの影響で、顔合わせも面談もほぼオンラインになっています。以前であれば、そう案内するメールの定型文をつくり、
一人ひとりに「これを使ってね」と周知していましたが、忘れてしまうメンバーもいました。
今は一度テンプレートをつくれば、PORTERSでシェアできるので、全員が同じ対応を即時に適応することが可能になりました。
長谷氏)登録者の掘り起こしにも活用しています。以前のシステムでもできてはいましたが、PORTERSはより細かく職種やフェーズが指定できるので、「こういう人を掘り出したい」というとき、具体的に抽出できるようになりました。
財部氏)求人の最新情報を、全員すぐ見ることもできるようになりました。
例えば、営業が新規求人を獲得した際に、以前のシステムでは案件のIDや職種、必須スキルなどをGmailにコピペして社内共有。
受け取った側はシステムでわざわざID検索して確認しており、効率が悪かったです。
PORTERSは定型メールにすべての情報を自動反映、さらに求人URLを張り付けることができ、直接システムに飛べるため、社内共有・確認の効率が大変上がりました。
長谷氏)クローズにする求人も、同様にGmailに張り付けて対応しており、業務効率が悪く、
クローズ漏れも発生して、「候補者にこの案件を紹介したのに、実はクローズになっていた」ということもありました。PORTERSにしてからは、フェーズも自動で変更してくれるので、
そういったミスも減りましたね。
新システム移行を成功させるには
――システムを切り替えて、うまく定着させるために、どのような工夫をされましたか?
財部氏)プロジェクトメンバーは、IT部門や営業、コーディネーターなど、各チームから一人ずつ、合計5~6名でスタートしました。このとき、現場のことを理解している社員を、必ず入れるようにしました。現場のことを知らずに、机上の理論で進めると失敗するからです。
また、プロジェクトのスタートが2018年9月で、翌年4月に新システム切り替えと、スケジュールも最初に決めて、逆算しながら進めていきました。
一日くらい遅れてもいい、ということは許さない空気感で進めましたね。
長谷氏)部署や職種が違っても、相手のことを考えながら話し合い、進めていきました。
例えばシステム担当は、現場のことを理解しようと、業務内容や業務フローをすべてヒアリングしてくれました。営業とコーディネーターも、PORTERS導入後の業務フローを決める際、
「どの業務をどちらがどれくらい担当するか?」「どうするのが効率的か?」など、全体のことを考えて進めていきました。
また、旧システムからのデータ移行や連携など、本来はポーターズさんがしてくれる業務も、IT部門が行いました。自分たちのやり方やしたいことがあるのなら、ポーターズさん任せではなく、できることは自社ですべきだと思います。
財部氏)意識したのは、ローンチした時点で必要な機能を明確化し、浸透させることです。PORTERSは機能が多いので、すべてを使おうとすると失敗すると思ったからです。
後はシステムが変わってからすぐ操作できるよう、「どのような手順で新規求人を広報するか」など、マニュアルや業務フローも作成し、営業・コーディネーターそれぞれにレクチャーを行いました。
最初に不具合があると、悪い印象が付いてしまうので、事前準備をきっちり行いました。
今後は、段階的に基幹システムや周辺システムとの連携など、より業務の効率化を進めていきたいです。
株式会社キャリアデザインセンター
■企業情報
株式会社キャリアデザインセンター
東京都港区赤坂3-21-20 赤坂ロングビーチビル
2013年、IT・WEB業界に強みを持つ、キャリアデザインセンターのグループ会社として設立。姉妹サービスである転職サイト【type】や、人材紹介サービス【type転職エージェント】を通じて培った、大手企業や有名企業との豊富なネットワークを生かし、派遣事業を行っている。2021年4月1日株式会社キャリアデザインセンターに吸収合併
※記事内名称は取材時2020年のものです。