一度他ツールに移行したものの、人材紹介プロセス改善のためPORTERSに再移行
―まずは御社の事業についてお聞かせください。
弊社は障害をお持ちの方向けの人材総合サービスを展開しています。求人サイトの運営や就職フェアの開催なども行いながら、障害者の方に特化した人材紹介を主力事業としています。
また、現在はコロナ禍の影響でテレワークが一般化していますが、弊社ではコロナ前からテレワークの導入によって障害者雇用の課題が解決できると考えており、テレワークの導入支援に取り組んで参りました。コロナ禍によりクライアント側でもテレワークに対する一般的な理解は進みましたが、ただ既存の業務やポジションをテレワーク化するだけではうまくいかないケースも多いです。弊社では「戦力としての障害者雇用」を実現するために、業務の切り出しから定着に至るまで、総合的にサポートしております。
複数のサービスを通して、障害者雇用であっても「より自分らしく働いている方」「より自社らしい雇用を実現する企業」を増やすことで、“誰もが挑戦できる社会”を創っていきたいと思っています。
―御社ではPORTERSを導入するのが二度目となりますが、経緯をお聞かせください。
最初にPORTERSを導入したのは人材紹介サービス立ち上げから1~2年が経過した2016年でした。当時Excelや共有フォルダで管理していたマッチングをシステム化するために導入しましたが、PORTERSの課題だった企業開拓の部分、既存顧客に対するナーチャリングなどの機能に物足りなさを感じ、営業推進という観点で一度SFAのツールに移行しました。
しかしそのツールでは設計、導入に時間がかかり、更に人材紹介の部分が停滞するようになってしまいました。最終的な売り上げは人材紹介の部分に依存していますので、そこのスピード感と量が落ちてしまったため結局半年でPORTERSに再移行することになりました。
―具体的にどのような部分で停滞や問題があったのでしょうか?
まず顧客にタイムリーに連絡する部分で、メール機能がSFAツールとPORTERSで大きく異なっていました。特に求人票などのファイルを添付する際、ファイルが選考プロセスに紐づけられていないためピンポイントでピックアップできず、膨大なフォルダやファイルの中から毎回検索をかけて見つけなくてはいけませんでした。また、メールにパスワードを掛けられない点も大きかったですね。
―SFAツールでは営業管理の部分は機能していたのでしょうか?
レポートや簡易的なスコアリングの部分は活用していましたね。MAツールとの連携などで拡張性も感じていましたが、半年だったので具体的な成果はあまり見られませんでした。
SFAツールに関しては社内のリテラシーもあまり高くなく、トレーニングもなかなかできませんでした。その点PORTERSは既に1度使って慣れていたというのもあってトレーニングが要らず、機能も直感的にわかりやすいのでPORTERSに戻ることにしました。
―PORTERSに戻るときに他のツールも検討しましたか?
他のツールは一切見ていません。課題が人材紹介部分のプロセス改善だったので、PORTERSは以前使っていた時にその点で不満が無かったためすぐ決めました。
―もう一度PORTERSに戻る際に大変だった点はありますか?
いえ、既に1度使って慣れていたので非常にスムーズに移行できました。(ポーターズの)担当者の方にもスムーズにサポートして頂いたので、5月に再移行の決断をして6月には移行完了できました。
オートマッチング機能などの活用により応募意思獲得数2倍、マッチング数3倍、生産性と売り上げも改善
―以前PORTERSを使っていた時とは違う運用方法などはありますか?
1度目の導入時に使っていなかったのはスマート帳票の機能です。また、最近実装されたオートマッチングも活用していますね。
SFAツールで培った考えた方も導入しています。対応履歴を使い回すようにしたり、項目の立たせ方だったり、SFAツール利用時に考えていたことをPORTERSでも使えるよね?ということで軽微な部分で運用方法を改善しています。
今後はWebサイトとのAPI連携の利用についても検討しているところです。
―SFAツールからPORTERSになり、数値的な改善は何かありましたか?
たくさんありますが、オートマッチングの活用とそれに合わせた項目設定が上手く行っているので、応募意思の獲得数が2倍、マッチング数も3倍ほどに改善しました。オートマッチング機能によって件数が増やせた一方、リードタイムも減らせたというのが非常に大きいと感じています。
また生産性の改善については、感覚になってしまいますがざっくりと120%ほどは改善していると思います。売り上げ自体も上がってきているので、とにかく人材紹介を支えてくれているPORTERSの影響は計り知れないです。すごく好きなツールですね(笑)
―ありがとうございます(笑)今年行われたUIの変更やNew List View*などの機能についてはいかがでしょうか。
UIの変更に関しては特に抵抗なく使っています。New List Viewに関してもソートやフィルターが使えるようになって素晴らしいと感じています。
今までは検索条件でデータ登録・更新・フェーズ・日付・昇順降順などを組み分けていましたが、今は選択肢の中から出したい順でソートできるようになったのが大きいですね。並べて見られるようになったので、人数や件数が増えた中でもおすすめの求人や求職者を探しやすくなりました。
*New List Viewは、2021年にリリースされた、PORTERSの一覧画面の名称。ソートやフィルター、色付けなどが自由にできる機能
共に成長していける実感。今後の事業戦略でもPORTERSは欠かせない存在。
―弊社のサポートについてはいかがでしたでしょうか。
ここは是非お伝えしたかった部分なのですが、御社のサポートと営業、開発の間での一貫性や距離の近さをすごく感じています。以前機能改善について要望をお伝えした時も、その半年後くらいに実際に改善された際に個別にメールを頂けたのが嬉しかったです。顧客に向かう姿勢が本当に素晴らしいなと思いました。
まだPORTERSも発展途上だとは思いますが、日々のツールの活用や御社とのやり取りを通じて共に成長していける実感があります。もはや我々の事業の発展と切り離せないなと感じています。
―嬉しいお言葉、ありがとうございます。最後に御社の今後の事業展開やビジョンを教えてください。
求人紹介だけでなく、障害者の就職につながる情報やコンテンツ、企業が障害者雇用について知るコンテンツを充実させていきたいです。
また本当に大事なのは就職後なので、現在も定着支援サービスをやってはいますが、採用・転職だけでなく働くことを検討するところから実際に入社して活躍するまでの一貫したプラットフォームを作りたいです。
―リモートワークの時代になり、障碍者の方の機会は広がっているように感じます。
法律的な側面でも5年に一回障害者の法定雇用率が上がっていくので、今後も堅調に伸びる市場です。多様な働き方にも着目されていて、企業側でも障害者に配慮した業務の切り出しやポジションの創出が広がってきています。今後は今現在働けていない人が雇用の対象となって働ける時代が来ると思っています。
その中で弊社でも障害者雇用が企業の選択肢となるべく、雇用の創出や求職者の戦力化を目指していきたいです。
株式会社D&I
2009年に創業。創業以来、一貫して障害者雇用促進事業に取り組んでいる。 人材コンサルティングサービスの他、障害者向けの就職・転職総合サイト『BABナビ』、障害者の在宅雇用支援、定着支援サービス『ワクサポ』、就労移行支援『ワークイズ』を展開。"体験学習型"放課後等デイサービス『テラコヤキッズ』など教育事業も手掛ける。
【障害者の在宅雇用支援サービス「エンカク」】
https://d-and-i.jp/service/enkaku/
【障害者の転職支援サービス「DIエージェント」】
https://di-agent.jp/
取材日2021年10月20日
※掲載内容(所属、役職名等)は取材時のものです