面談時間を1時間かける理由
――最初に、御社の事業内容をお聞かせください。
小林氏:経理サポートスタッフは、経理・総務領域を主軸とした人材派遣事業および人材紹介事業を展開しています。最初は派遣事業からスタートし、ニーズの高まりにともない2004年から紹介事業を始めました。現在は、売上の大部分を人材紹介事業が占めています。従業員数は27人になります。
――生成AIの台頭で、人材サービス業の介在価値について再検討する企業が増えました。小林様が思う介在価値を教えてください。
小林氏:当社は、経理・総務部門に特化している性質上、経営者との距離が近いこともあり、経営相談をいただくことも多々あります。そのため、それぞれの企業にあう人柄やポテンシャルを理解した上でのヒアリングができるため、条件だけのマッチングではなく、求職者と企業風土が合っているかや、双方の将来のビジョンのマッチング度なども見て提案できるところは、当社ならではの介在価値だと思います。
また、AIの台頭により、単なるマッチングであれば人間が行わなくてもいい時代になりつつあります。ですが、会話を通じて求職者の思いや夢、適性を引き出す作業にはコーディネーターが必要だと考えています。当社では面談時間を1時間以上かけ、「この求職者の一番の売りは何?」の答えを見つけてから面談を終わるようにしています。
――経理サポートスタッフ様のコーディネーターのコメントがものすごい量で驚いた記憶があります。なるほど、1時間かけてじっくり聞きだしていらっしゃるからなのですね。
導入の決め手は複数のアプリや求人媒体との連携力
――PORTERS Agentの導入を検討された理由は何でしょうか。
小林氏:自社開発システムの限界を感じたことが大きな理由です。例えば、法改正がある度にシステム変更が発生しますが、それに伴う変更ができる仕様にしていなかったため、抜本的な変更が必要になってしまう事態が多々発生しました。加えて、日増しに進化するIT技術に当社のシステムが追い付かなくなった点も、専門の管理システム導入を検討するきっかけになりました。
――導入にあたり、当社以外も検討されましたか?
小林氏:7~8社の中から比較しました。
どのサービスもそれぞれ良さがありましたが、もっとも求めるサービスは、複数のアプリや求人媒体との連携力でしたので、PORTERS Agentに決めました。導入時、担当スタッフの皆さまのサポートが親切丁寧で、大変ながらもちゃんと移行できました。もしもサポートが充実していなければ、今もまだ使えずに右往左往していたかもしれません。
導入後はキャンセル率低下、記入漏れ減少、コンサルティング時間増加などの効果が
――PORTERS Agnet導入後により、どのような点が改善されたか教えてください。
小林氏:例えば、これまでは求職者のエントリーから面談予約までのやり取りを手入力していましたが、PORTERS導入により入力時間が減り、面談までの時間がかなり短縮できたのでキャンセル率低下につながりました。面談までの対応が遅いと、その間に求職者は他社にも登録して話が進んでしまい、面談直前にキャンセルになってしまうケースも少なくありませんので、その防止にもなっています。
また、自社システムの時は進捗管理とメールが連携できませんでしたが、PORTERS Agent導入により連携できるようになりました。書類選考が通らなかった場合の連絡をメール送信すると、同時に進捗が変わるので、書き換え漏れが減りました。メールに関しては、自動メール配信機能もとても便利です。
他に、以前は職務経歴書PDF ファイル専用のボックスを用意して、それをコンサルタントが紹介する流れでしたが、現在はPORTERS Agent上にPDF を全部保存できる仕様になっているのでいつでもすぐに紹介できるなど、事務作業をかなり省略できるようになりました。そのぶん、コンサルタントは人材を探したり面談の時間を多く作れたり、求職者の推薦内容をより深堀したりできるようになったため、非常に助かっています。
――経理サポートスタッフ様の所在地である愛知県ならではの活用法もありますよね。
小林氏:通勤時間マッチング機能ですね。愛知県に限らないと思いますが、地方は実家暮らしの求職者が多い傾向にあるので、地方の人材会社には便利な機能だと思います。当社がある愛知県も、求職者が実家から1時間以内の勤務地にこだわる傾向がありますので、通勤時間でマッチングできる点はとてもありがたいです。当社派遣部門のコーディネーターは「派遣の求職者は徒歩圏内、自転車圏内を希望する人も多いので、徒歩や自転車でもマッチングできる点はありがたい」と言っています。
――御社はPORTERS MAも導入いただいておりますが、効果のほどはいかがでしょうか。
小林氏:分かりやすく効果がでています。例えば、送信した求人情報を開いた人は通知がくるため後追いが圧倒的にしやすくなりました。これまでは、連絡がつかず転職活動をしているかどうか不明だった求職者の再面談率がかなり増加しました。最近は、メールを1回でも開いた求職者も掘り起こし対象にし始め、その層も活発に動き始めました。また、メールのテンプレート機能も、とても便利で助かっています。他のコーディネーターが使ったメールも見られるので、いい文章を参考にしたり、共有してテンプレートをアップデートしたりできるようになり、面談決定率やお客様サービスの質の向上などにつながっています。
実は、以前はマイページにログインするとアクティブに変わる仕組みで、求人紹介への応募はメールからできなかったんです。すると、IDやパスを忘れてしまった求職者は離脱してしまいます。PORTERS MA導入後は、メールで直接応募ができるようになったので、応募数が増えました。
導入前後のサポートが新システムの快適性を左右する
――これまで自社システムの使い勝手のよさを追求してアップデートしてきたものを、PORTERS Agentのフローにシフトさせていく過程は、かなりご苦労されたと思います。経理サポートスタッフ様に限らず、既存システムをがらりと新システムへ移行する際の意識の切り替えは、どの企業も難しい課題です。
経理サポートスタッフ様は早いタイミングで意識を切り替えて、導入による成果のビジョンを社内で意思統一していらっしゃった点がスムーズな移行につながったと思います。
小林氏:当社はパート従業員が多く、基本的にフロー通りに業務をおこなっています。そのため、変わることへの抵抗感をいかに少なくするかが課題でした。そこで、システム移行前に、「ひと手間加わる部分がでるかもしれないけれど、それ以上に業務が楽になり、結果も出るから」と伝え、理解してもらってからシステム移行を実施しました。おかげさまで、懸念していた抵抗や反発の声はなく、協力を得て進めることができました。
――導入を決めてから以降するまで、他に不安はありましたか?
小林氏:サポートがしっかりしていたので不安はありませんでしたが、導入作業はそれなりに大変でした。 そもそも当社のデータはコメントも含めて量が膨大で、それを内製システムで管理していましたから、項目の分け方や入力の仕方などの設定をしていく作業には時間がかかりました。これはもう私たちだけでは手に負えず、導入を担当してくださった方にサポートしていただきながら構築しました。
――導入までの道のりで印象に残っているエピソードを教えてください。
小林氏:企業が求める必須業務スキルを持った求職者を探すのは容易ですが、持たない求職者を除外するやり方が当社の仕組みでは難しく、導入を担当してくださった方も一緒に考えてくださりながら、策を考えたことが記憶に残っています。
――結果、そこは手作業のほうが効率的という結果になりましたが。
小林氏:サポートがなければ、その結果にすらたどり着けなかったと思います。
株式会社経理サポートスタッフ
■企業情報
株式会社 経理サポートスタッフ
名古屋市中村区名駅4丁目23番9号 MARUWA名駅ビル4階
https://keiriss.com/
2003年設立。経理・総務領域に特化した人材派遣事業、人材紹介事業を展開。






