株式会社MS-Japanの導入事例

株式会社MS-Japan

40人規模から200人組織へ。MS-Japanの成長を支えたPORTERS Agentという運用基盤

人材サービス事業において、データの管理と活用次第で業績が大きく変わることは誰もが認識していることだろう。今回は、PORTERS Agentを活用して業務の効率化はもちろん、マーケティング力強化、面談までのリードタイム短縮、ユーザーの掘り起こしなども実現させたMS-Japanの加藤隆二氏に、活用のコツを聞いた。

属人化した情報をデータとして管理するためにシステム導入を決断

――最初に御社の事業内容をお聞かせください。

加藤氏:MS-Japan(エムエスジャパン)は1990年創業で、管理部門と士業に特化した総合転職サービス「MS Career(エムエスキャリア)」と、企業の経営管理領域と士業領域に特化したビジネスメディア「Manegy(マネジー)」が主な事業です。おかげさまでMS Career は、5年間の新規登録者数 が82,000人を超えました*。

 創業当時は会計事務所に向けた求人雑誌を中心とした採用支援事業を展開していましたが、対象業界を一般企業の管理部門に広げたり、求人メディア、スカウトメディアを加えたりしながら事業拡大を続けてきました。
* 2020年1月1日~2025年1月1日の間に申し込みがあった人材事業新規登録者数(MS-Japan調べ)

――御社は、PORTERS Agentの名称が「Pro Agent(プロエージェント)」だった頃から、17年間にわたりご活用くださっていますが、導入を決めた理由はご存じでしょうか?

加藤氏:私が入社した2017年には、すでにPro Agentが導入されていました。その後、当時の製品名であるHRBC(現:PORTERS)になった際は私が導入を担当し、現在のPORTERS Agentまで関わっています。
 Pro Agent導入時の担当者から聞いた話では、当時の従業員が40人程度だったこともあり、情報が属人化していて、情報を資産(データ)で残せる仕組みが必要だと考え、導入に踏み切ったそうです。

PORTERS Agentは変化に寄り添ってくれる基幹システム

――弊社サービスを長く使い続けてくださる理由を教えていただけますか?

加藤氏:転職支援サービスは、企業・求人・求職者の情報が連動して動きます。この情報の流れ管理するには、システム側の柔軟性が重要です。その点、PORTERS Agentはカスタマイズ性が高く、管理に必要な項目を増やせたり、フローを自由に変えられたりできるので、当社の変化に寄り添ってくれる優秀な基幹システムとして今日まで利用しています。また、PORTERS Agent内でデータが管理・共有されているので、担当者の交代や従業員の増減に影響を受けにくい点も、長く使い続ける理由の1つです。

 当社はデータをかなり細かくセグメントして管理しているため、項目数が膨大にあります。単純にデータの蓄積だけではなく、アウトプット後もスプレッドシートやAIに絡めて自動化することで、時間短縮にもなっています。総じて、PORTERS Agent導入によってかなり業務の効率化ができました。

――ありがとうございます。導入から17年の間に使い方は変化しましたか?

加藤氏:現代は情報時代ですので、項目を追加して分析に使う頻度が高くなりました。PORTERS Agentはデータのエクスポートも柔軟に対応しているので、蓄積された数値を使って戦略的な意思決定をするためのインサイトを生み出してくれるツールだと思っています。

掘り起こしの自動化はユーザー復活と稼働率アップに効果抜群

――御社は、マイページやAIマッチングツールも自社開発していらっしゃると聞きました。その中でPORTERS Agentをどう活用されていますか?

加藤氏:PORTERS Agentを人材紹介の基幹システムと位置づけて自社開発のマイページと連携し、ログインすると求人や応募、選考状況を確認できるようにしています。また、企業の採用担当者向けの推薦管理システムを独自に開発しており、担当者が求職者のレジュメをスピーディーに確認できるようにしています。この機能もPORTERS Agentと連携しています。合わせてノーコードのデータマーケティングツールも連携しており、今まで手動でおこなっていた面接のフィードバックの自動回収や、過去の登録者の掘り起こし、稼働促進など、マーケティング視点でのアプローチ強化に活用しています。掘り起こした情報は都度PORTERS Agentに反映させています。

――PORTERS Agentとの連携で具体的にどのような効果を得られましたか?

加藤氏:マイページと連携することで、2日程度、選考のリードタイムの短縮につながりました。また、掘り起こしの数が自動化によって大幅に増加し、一度離脱した求職者の“復活稼働”も着実に増えるなど、エージェント全体の稼働率が底上げされました。

また、蓄積したデータを最終的にマーケティングや業務運用に活用することを前提にPORTERS Agent上の項目設計をしていますので、求人管理は企業と事務所で分けてそれぞれの特性に応じた項目を設計し、求職者管理は職種ごとにスキル項目を設けるなど、細かく管理してより高精度なマッチングを実現させることに役立っています。

人材紹介業務の効率化とデータ活用を同時に実現

――PORTERS Agent導入を検討中の皆さまへ向けて、おすすめのポイントを紹介していただけますか?

加藤氏:単なる業務ツールの枠を超え、人材紹介業務の効率化とデータ活用を同時に実現できるツールです。カスタマイズ性が高いので、自社の業務フローが最適化できますし、データのエクスポートが容易で分析と活用が直感的におこなえます。また、MAツールなどの外部ツールと連携することで面接フィードバックの回収や求職者の掘り起こしなど、日々の業務負荷を自動化・可視化できるため、成果が向上すると思います。

――お褒めの言葉の数々、ありがとうございます。今後、PORTERS Agentに期待する機能があれば教えてください。

加藤氏:外部ツールとの連携がさらにシームレスになると助かります。
現在は自社マイページや推薦管理システム、MAツールとAPI連携していますが、操作感やデータ更新のリアルタイム性まで含めた統合的な体験が実現できれば、登録者の管理や選考状況の把握などの精度が上がり、さらなる効率化が狙えると思います。
 人材紹介の業務管理システムを超え、SFAやCRMの機能も含んだ統合プラットフォームに進化すれば、エージェント業務全体を一元管理でき、重点セグメントの登録者獲得やマッチング精度の向上を加速できます。この統合基盤を活用することで、データに基づく意思決定や戦略的施策を効率的に実行し、エージェント全体の成果の最大化につなげられると期待しています。

――ご意見ありがとうございます。最後に、今後の展望をお聞かせください。

加藤氏:人材紹介事業では、獲得単価の上昇には無理に追随せず、総数よりも登録者の属性や求人のニーズにマッチしたセグメントの戦略を強化し、率的かつ効果的に登録者を獲得していく予定です。新規の求人獲得に関しては、登録者の属性に沿ったセグメントで戦略的な獲得を実施し、受注決定数の向上を重視していきます。

企業全体としては、MS Career、Manegy(マネジー)、そしてAIマッチングの3層構造を基盤に、管理部門や経営管理に必要なあらゆるソリューションを提供できるプラットフォームに進化させる予定です。最終的には、国内のスタンダードを固めつつ、企業経営の効率性や効果性を高める世界一の経営管理プラットフォームを目指します。

株式会社MS-Japan

■企業情報
株式会社MS-Japan
東京都千代田区富士見2-10-2 飯田橋グラン・ブルーム4F
https://company.jmsc.co.jp/

経理・財務・人事・総務・法務・経営企画といった「管理部門」と、弁護士・公認会計士・税理士などの「士業」に特化した人材紹介事業・メディア事業を展開

Interview with
加藤 隆二氏

株式会社MS-Japan
事業統括本部 事業企画Division 開発section マネージャー