就業構造の変化、AI技術の発展、アフターコロナ…この不確実な現代において人材事業は今後どうなるのでしょうか?人材事業の市場規模と今後の動向、課題について解説していきます。

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  • ポイント1
    人材業界の事業の種類

    まず、人材業界の主な事業を紹介します。

    いずれかに専門特化した企業も多く存在しますが、リクルートホールディングス等の全ての事業を担う総合人材サービス企業も多く存在します。

    人材紹介

    人材紹介業は、 求職者と求人(企業)をマッチングさせる仕事です。

    求職者には希望に合った求人を紹介し、企業には必要な人材を紹介します。

    企業に対して適正な求職者を紹介し採用が決定した場合、紹介手数料を受け取るビジネスモデルです。

    企業の採用の相談を受ける職種を「リクルーティングアドバイザー」、求職者のキャリア相談を受ける職種を「キャリアアドバイザー」などと呼び、人材紹介会社によってはこれらの仕事を1人で一貫して担う場合もあります。

    人材派遣

    人材派遣業は、人材紹介業と同じく、 求職者と求人(企業)をマッチングさせる仕事です。

    人材紹介業との大きな違いは、 派遣という雇用形態にあります。

    派遣とは、専門的なスキルを持っている人材を短期間で雇用したい会社と、週に限られた日数だけ働きたい人の双方のニーズに応えるためにできた雇用形態です。

    派遣会社は求職者を雇い、いつでも派遣できるように体制を整えます。

    人材紹介業と同じく紹介手数料を受け取るビジネスモデルですが、紹介(派遣)する人材と長く付き合う必要がある点で異なります。

    そのため、 求人企業に求職者を派遣することに加えて、求職者に対しての教育・サポートが必要となります

    業務請負

    請負は、企業の業務を代行するサービスのことで、労働力を提供し手数料を受け取るという点で、人材派遣と非常によく似たビジネスモデルと言えます。

    しかし人材派遣においては、スタッフ(労務提供者)の指揮監督は派遣先企業(クライアント)が担うのに対し、業務請負においては請負会社が担うところに差異があります。

    再就職支援

    再就職支援サービスは、 事業規模の縮小等により、離職を余儀なくされる労働者に対して再就職支援を行うサービスです

    人材会社は、求人情報の中から再就職希望者に合った企業を紹介し、キャリアカウンセリングやセミナーを行うことで内定までサポートします。

    人材紹介業と混同されがちですが、ビジネスモデルが異なります。

    再就職支援サービスは、 従業員を解雇したい企業が従業員の次の働き先を保障するのを人材会社が代行するというサービスであり、その際に企業から支払われる委託費用で儲けるという仕組みです。

    また、目的が再就職希望者の再就職先の保障であるため、一般的には求人企業からの紹介手数料は受け取りません。

    求人広告媒体運営

    求人広告事業は、 企業の求人情報をwebサイトや雑誌などのメディアに掲載し、求職者を集めるサービスです。

    新卒採用や転職、派遣、アルバイトなどの募集に広く使われています。

    一般的には、メディアを通して求職者からの応募があれば、掲載した求人企業から掲載料が支払われるというビジネスモデルです。

    キャリア形成支援

    キャリア形成支援サービスは、比較的新しいビジネスモデルです。

    一般的には 求職者に研修・セミナーなどを提供しその後の就職支援までを行うサービスのことを言います。

    「3ヶ月のプログラミング講座を受けてプログラマーとして就職」といったように、特に求職者・企業の双方に需要があるIT系の専門スキルを身につけるといったものが多いです。

    講座が有料で求職者からお金を受けとる場合もありますが、多くは企業からの紹介料を受け取る仕組みで、結局は、転職エージェントのようなモデルになっています。

  • ポイント2
    人材紹介事業の市場規模とは?

    市場は常に大きくなっている

    人材紹介市場は2009年以降、景気回復の影響や人材紹介サービスの認知度の高まりを受け成長を続けています

    矢野経済研究所の調査によると、2018年度の人材ビジネス主要3業界(人材派遣業、人材紹介業、再就職支援業)の市場規模は事業者売上高ベースで前年度比7.1%増の6兆1,831億円を記録しています。

    また、業務特化型6業界(技術者派遣ビジネス、営業・販売支援人材ビジネス、ネット転職情報サービス、アルバイト・パート・派遣求人情報サービス、製造派遣・請負ビジネス、医療人材サービス)の市場規模は同8.1%増の4兆430億円でした。

    好況期にサービス需要が縮小する再就職支援市場を除く8業界が市場を拡大しており、特に「人材紹介業」「技術者派遣ビジネス」「ネット転職情報サービス」の3市場は前年度比で二桁のプラス成長を遂げています。

    さらに2019年度も成長が予測されていることからも、人材紹介市場は右肩上がりと言えます。

    他業界と比較しても市場は大きい

    人材サービス業の市場規模は約9兆円であり、約17兆円の電力や約13兆円の鉄道といったインフラ事業に迫る規模を誇っています。

    (「日経業界地図2012年版」日本経済新聞出版社)また、約6兆円の広告業界を上回っていることからも人材サービス業の市場規模の大きさが伺えます。

    (JACリクルートメントの調査より)

  • ポイント3
    今後の人材業界の課題

    このように市場規模が大きく、成長を続けている人材業界ですが、今後の課題としては一体どのようなことがあるのでしょうか。

    雇用構造が変わる

    現在、雇用構造に大きな変化が起き始めています。

    かつての日本では専業主婦が大半を占めていましたが、働く女性が徐々に増えてきています。

    更に、超高齢社会が目前に迫ってきている中、定年の引き上げも行われており、高齢者の働き手もますます増えるでしょう。

    また、これまで日本においては長期安定雇用が謳われてきましたが、経済の不確実性が増大した現代では、企業はリスク管理のために非正規雇用を好み、そうした終身雇用が期待できない中で会社に依存しない個の時代が叫ばれるようになりました。

    このような変革の中では、求職者のキャリア形成支援、転職支援、中高年層の活用などが必要とされるでしょう。

    中高年層の活用としては、リストラの対象となった中高年層の社員に対しての再就職支援サービスが活躍する可能性を秘めています。

    AIによって職種が変化する

    2015年、野村総合研究所がオックスフォード大学との共同研究論文にて、20年以内に日本にある仕事の49%がAIによって代替されるという衝撃の発表を行いました。

    2020年現在はまだそのようなことはありませんが、 職種が大きく変化していくことは間違いないでしょう

    AIは単純作業やデータ処理を得意とするため、人の仕事としては人にしかできないようなコミュニケーションを必要とする仕事が主になってくると考えられます。

    人材会社としては、そのような動向に目を向ける必要があります。

    その上、人材事業においてもAIの導入により、求職者と求人企業のデータに基づくマッチング等が代替されることが予想されます。

    そのため紹介事業者たちには、人にしかできないキャリア・採用のコンサルティング等に力を注ぐことが求められるでしょう。

    グローバル人材の需要が増加する

    多くの企業が海外進出をするようになるにつれて、現地での採用に加え、外国人を日本国内で募集する企業も増加傾向にあります。

    平成26年度における海外からの求職者の申込数は前年度比で50%近く増加しています。

    一方で就職件数は増減を繰り返しており安定していません。

    その原因の1つは、国ごとに異なる手続きの煩雑さにあるようです。

    人材紹介業としては、各国のマーケットに対応するとともに、外国人の日本での就業をサポートする体制作りが求められます。

    マッチング率が問われる

    人手不足が続いており、少なくともAI技術が発展し普及するまでは深刻な状態が続くでしょう。

    特に常に求職者からの人気を確保できる大手企業に比べ、中小企業は人手不足が顕著です。

    そのため現在、転職市場は売り手市場であり、求職者はマッチング率が高くない企業にも入社することができるかもしれません。

    しかし、それは本質的な採用と言えるでしょうか。

    転職市場におけるマッチングの精度は、売り手市場の今こそ高められるべきではないでしょうか。

    キャリアアドバイザーの力量やマッチングできるシステムが試されます。

    中高年や60歳以上の雇用に対処する

    厚生労働省の『高齢者雇用対策の取組について』によると、65歳を超えても働きたい者は7割近いが、希望者全員が65歳を超えて働けるしくみのある企業は2割だと言われています。

     

    老後2000万問題や少子高齢化、景気悪化による物価高騰、全体的な長寿などより、結果、多くの人が60代以上になっても勤労意欲を持っているということです。

    定年引上げ・継続雇用延長などは近いうちに実現していくことでしょう。

    人材紹介会社としては、勤労意欲のある60歳以上の人、また中高年の方も含めて、シニアの方々をどう企業に紹介していくのか、その対応力が求められます。

    例えば、接客のスキルがある65歳の方は、ずっと続けてきた会社を定年退職しましたが、その後、駐車場のガードマンとして再雇用されました。

    スキルや経験があると、接客系の仕事で働き口が見つかりやすいのも事実です。

    他にも、スキルや経験がなくとも、中高年であれば、再スタートという形でキャリアチェンジができる場合もあります。

    人材紹介会社としては、そのような方と企業を結び付ける対応力が課題になります。

  • ポイント4
    今後の人材業界はどうなっていくか?

    ではこうした変革や新型コロナウイルスの影響を受け、今後の人材業界はどうなっていくのでしょうか。

    アフターコロナではリモートへの対応力が問われる

    現在、新型コロナウイルスの感染拡大の影響でリモートワークを推奨する企業が増え、自宅で勤務する方が増えています。

    人材業界もその流れを受け、 今まで対面で行ってきた求職者との面談をオンラインで行うケースが増加しているようです

    そのような中で、「求職者にとっても時間や場所の制約がなくなったことで気軽に面談ができ、スカウトメールへの返信率も上がっている」というプラスの声が上がっているようです。

    一方で、「オンラインだと信頼関係の構築が難しい」「より丁寧なコミュニケーションが必要となっているように感じる」といった声も上がっています。

    プラスの面を活かし、面談の気軽さなどを活かした体制づくりが人材会社には求められるのではないでしょうか。

    転職エージェントに頼る人の増加

    先述の通り、時代の変化に伴い 今後ますます雇用の柔軟性が求められるようになり、転職者は増加すると予想されます

    その中で、需給調整機能の担い手として人材サービス業の重要性が増していくと考えられます。

    需給調整が求められる要因としては主に3点あります。

    1点目は、転職者数だけでなく個人の転職回数の増加も見込まれるためです。

    2点目は、人々の就業観やライフスタイルが大きく変容したことにより、企業の人材活用ニーズと労働者の就業ニーズを両立させることが難しくなってきているためです。

    3点目は、多様であり変化する両者のニーズを満たすためには、入社する一時点におけるマッチングのみならず、継続的な関係を構築し、時間をかけて徐々にすり合わせていくことが必要な場合も増えるためです。

  • ポイント5
    人材紹介事業ならマッチングシステムの導入を

    人材業界に関して、説明してきましたが、いかがでしたか。

    HRビジネスクラウドは、人材業務に必要な機能がすべてすぐに活用ができる「クラウド型マッチングシステム」です。

    あらゆる特化業界や領域に最適な業務フローを簡単に設計し、求人・求職者の情報を常に最新版にアップデートしながら一元管理できます。

    マッチングや企業への推薦、求人開拓や求職者獲得など、人材業務はやることがたくさんあり、現状、多くが個人に依存していることが課題です。

    これらの業務進捗管理と一緒に必要な機能をすべてオールインワンでご提供できるマッチングシステムの導入に関して、ぜひご検討ください。