人材紹介の営業は、法人営業と求職者担当をする営業に分かれますが、どちらも飛び込みやテレアポなどに追われる辛い仕事のイメージを持っている方も少なくありません。しかし人材紹介の営業は決して辛いばかりではなく、コツさえ押さえれば効率的に成約率アップを狙えます。

本記事では、人材紹介で今すぐ使える実践的な営業のコツに加え、人材業では欠かせないCRM・SFAの活用ポイントもあわせてお伝えします。人材紹介業を始めたての方や、これから開業を考えている方の参考になれば幸いです。

  • ポイント1
    人材紹介の2つの営業職とは

    人材紹介の営業職は、法人担当と求職者担当に分けられます。1人の営業が法人と求職者のどちらも担当するスタイルを両面型営業と呼び、それぞれ別の営業を置くスタイルを片面の営業と呼びます。

    小規模模エージェントでは営業人員が少ないため、両面型の体制をとる場合が多いです。

    一方、大手エージェントは法人と求職者側を分業制にし、加えてスカウト専任担当やアシスタント職を置く場合もあります。

    法人営業(RA)の仕事内容

    人材紹介の法人営業は、RA(リクルーティングアドバイザー)と呼ばれるのが一般的です。企業によってはRAのことを採用コンサルタントやコンサルタントと呼ぶ場合もあります。

    法人営業の仕事内容は、求人募集中の企業を新規開拓して人材紹介契約を結び、求職者の紹介を行うことです。すでに人材紹介契約を取り交わしている、既存企業への人材紹介もあわせて実施します。

    法人営業は、ただ単に人材を紹介するだけでなく、「なぜ採用が必要なのか」「採用ターゲットに対してどういったアプローチをすべきか」というアドバイスを行う役割もあります。エージェントによっては明確に「採用コンサルティング」を売りにしているケースもみられます。

    法人営業の営業スタイルの変化

    1社でも多くの求人情報を集めるために、従来は飛び込み営業や電話営業(テレアポ)で数多く顧客接触し、ノルマをこなす営業活動スタイルが主流でした。とにかく数多くあたることが良いとされ、しつこく営業をかけることで、ときには顧客から叱責を受けることもありました。

    しかし最近は、CRM(顧客管理システム)やSFA(営業支援システム)といったシステム導入で営業やマーケティング方法を一新するエージェントが増えています。顧客の検討状況にあわせた質の高いアプローチを行う営業スタイルに移行し、データドリブンで企業と求職者のマッチングを進めています。

    求職者向けの営業(CA)の仕事内容

    求職者を担当する営業は、キャリアアドバイザー(CA)と呼ばれることが多いです。企業によっては、コンサルタントや転職アドバイザー、キャリアカウンセラーと呼ぶこともあります。なお、キャリアコンサルタントは名称独占の国家資格のため、資格保有者のみ名乗ることができます。

    求職者向け営業の仕事内容は、求職者との面談で転職理由やキャリアの悩み事を聞き出し、希望条件にあった求人紹介を行うことです。自社と人材紹介契約を結んでいる企業の求人しか紹介ができないため、求職者の希望条件にあった求人を、いかに自社のデータベースから効率的に探せるかがポイントになります。

  • ポイント2
    法人営業(RA)の売上アップの方法3つ

    人材紹介の営業職は高いスキルが求められますが、コツさえつかめば成果を上げることは難しくありません。ここでは法人営業に必ずおさえてほしい売上アップの3つのコツをご紹介します。

    売上アップの方法3つ

    ①質の高い営業リストの作成

    ②トークスクリプトの準備

    ③採用コンサルティング力を磨く

    1.質の高い営業リストの作成

    新規顧客開拓のためには、質の高い営業リストの作成が重要になります。人材紹介契約の締結有無、求人募集を行っているかどうか、何職種採用を計画しているか、採用予算や採用課題は何かなど、企業の詳細情報を一元管理しリスト化します。

    営業リストが常に最新の状態で、正しい情報が網羅されていれば、あとは営業リストに従って顧客アプローチをするのみです。 

    方、顧客情報が古く更新されていなかったり、営業の頭のなかに情報があったりすると、エージェント全体でどの程度の顧客資産を抱えているか可視化できず営業効率が落ちてしまいます。

    CRMやSFAで精度高いリストを作成・管理する

    営業リストの質を担保するためには、Excelやスプレッドシートでの顧客情報管理はおすすめできません。Excelで企業情報を管理し、別のシステムで求職者情報を管理するなど分けて運用しているエージェントがいますが、顧客や営業情報すべてを一元管理しなければ、質高い営業リストとは呼べません。

    CRMやSFAのようなシステムを導入すれば、求人のオープン・クローズ情報や、営業の提案状況に加え、新規面談を終えた求職者情報や求人ポジションの紹介状況までワンストップで管理ができます。質高い営業リストの作成には、システム利用が欠かせません。

     

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    競合の人材サービスの利用者を狙う

    営業リストを作成する際、ただ求人募集を行っている企業情報を集めれば良いわけではありません。求人募集中企業のなかでも、人材紹介の手数料を払える体力のある企業を探さなくてはならないためです。

    もっともスムーズな営業手法として、大手人材紹介会社のホームページに求人掲載している企業へのアプローチを行う方法があります。他エージェントと契約中ということは、人材紹介サービスを利用する可能性が高いと考えられるためです。

    しかし一方的な電話営業を嫌う人事担当者もいるため、連絡する際は想定課題を整理し、自社だからこそ提供できる価値を明確化してからアプローチするよう心掛けましょう。

    自社に登録した求職者にヒアリングする

    質の高い営業リストを作成するために、自社に登録してくださった求職者にヒアリングする方法もあります。求職者は一般的に複数のエージェントや転職サービスに登録をします。

    併用しているエージェントはあるか確認しつつ、他エージェントから紹介を受けている企業の名前を聞き出しましょう。

    リアルタイムで紹介されている企業は、人材紹介契約を結べないかアプローチする価値があるはずです。

    2.トークスクリプトの準備

    法人営業の売上アップの2つ目の方法としては、精度高いトークスクリプトの準備を行うことです。もともとテレアポが上手い才能型の人材がいることもありますが、会社の成長のためには、再現性の高いトークスクリプトの作成が必須になってきます。

    「○○○と言われたら○○○と答える」という成功事例と「○○○○と切り返したら○○○と言われ切電された」など、失敗例もノウハウを蓄積しておくと良いでしょう。

    また、テレアポでは導入部分(つかみ)で魅力を伝えることが重要です。電話の冒頭で①自分のビジネスは何か、②相手にどう役立つか、③伝えたいことは何かを、端的に伝えなければ誰も話を聞いてくれないでしょう。

    トークスクリプト例

    ここでは頻出する3つの断り文句に対する切り返しトークスクリプト例をご紹介します。

    1.「忙しい」と言われた時

    切り返し例

    「〇分だけお時間いただけないでしょうか?」

    相手が「それくらいなら良いか…」と思うような短い時間を指定して話しましょう。

    2.「大丈夫です」と断られた時

    切り返し例

    「そうでしたか、承知しました。ちなみに現在は採用が落ち着かれていrるとのことですが、来年2月~3月は期末退職者が増加する転職シーズンです。貴社で万が一離職者が出た場合、求人広告で募集活動をされるのでしょうか。それとも弊社のようなエージェントサービスの検討余地はありますか?」

    まずは、反論せずに承知しましたなど、相手の意見に同意を示します。その上で、相手の興味を引きそうな仮説をぶつけて、反論しようがない事実を示した上で、将来的に検討してもらえそうかアプローチを続けます。人材紹介を使わないと決めている企業もいるため、「求人広告と人材紹介のどちらを使いますか」など、単刀直入に切り込むのも良いでしょう。

    3.「今は検討していないです」と言われた時

    切り返し例

    「左様様でしたか。ちなみに貴社は毎年~月に、エンジニア職の増員をされているとお見受けしたのですが、そのタイミングで再度ご提案できないでしょうか。」

    「かしこまりました。ちなみに、採用が落ち着いている時間にぜひ読んでいただきたい、〇〇業界の採用トレンドをまとめたオリジナル資料があるのですが、参考にお送りしても良いでしょうか」

    テレアポ前に「いつどんな職種の募集をしていたか」を必ず確認し、相手のことをしっかり調べていると伝える点がポイントです。下調べせず、やみくもに荷電されていると感じると、人事担当者は話を聞いてくれないためです。

    また、あくまでも営業ではなく、お客様の力になりたいので情報提供をしたいと伝えるスタンスもポイントになります。

    人材紹介の求人開拓はどうやって行うべき?企業への営業方法を全公開

     

    3.採用コンサルティング力を磨く

    人材紹介の営業は、御用聞きで受け身スタンスの人も少なくない点が問題となっています。「今採用していますか」ではなく「貴社の業界にはこういう動きがあるので、こんな人材をこのくらいの時期に入れるべきではないでしょうか」と、仮説立て&提案できる力が重要です。

    また、近年では採用だけを支援するのではなく、組織全般のコンサルティング支援を行う人材会社もあります。採用コンサルティングの総合的なスキルを磨くのも、売上アップへの近道でしょう。

  • ポイント3
    キャリアアドバイザーの営業力アップのコツ

    続けてキャリアアドバイザーの売上アップのコツをご紹介します。

    1.企業の採用戦略を深く理解する力をつける

    キャリアアドバイザーが求職者の気持ちに寄り添いすぎて、企業の求める人物像を理解せず提案してしまうと成果が出にくいでしょう。

    大前提として、企業の採用戦略や事業課題を理解して、適切な人材を紹介する意識を持つことが重要です。たとえ片面営業として法人営業と分業制をとっていても、キャリアアドバイザー自らが企業理解を深めたり、求人票を読み解く力などを身に付けたりすることは必要です。

    2.質の高い求職者情報を管理する

    キャリアアドバイザーは、「求職者の誰がいつどんな理由で登録したのか」「どの求職者がいつ頃転職を検討しているか」など、鮮度の高い情報を管理し続けなくてはなりません。

    求職者は、企業よりもコロコロ状況(気持ち)が変わるものです。面談中は転職意欲が高く、前のめりだった人が、翌日には転職活動を辞めると言ってくることは多々あります。求職者の情報をキャリアアドバイザーが属人的に管理するのではなく、全営業が見れるリストに管理し可視化しなければ、法人営業の持つ企業情報とマッチングさせるのは難しいでしょう。

    法人営業と同様に、顧客情報をExcelやスプレッドシートなどで管理すると、過去の履歴の管理が難しかったり、誤って更新したりなどするため、できればPORTERSのような人材紹介専用のマッチングシステムを導入しましょう。

    未経験や若手のキャリアアドバイザーでも、求職者情報の管理がスムーズになるのでおすすめです。

    PORTERSとは?

    https://hrbc.porters.jp/agent/

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    3.転職者フォローの専門性を高める

    キャリアアドバイザーの営業力アップには、転職支援にまつわる専門性を高めることが重要です。転職者心理を理解し、相手の本音を引き出しながら適切な言葉をかけてフォローを徹底していきます。

    ただ相手の話を聞いて寄り添えば良いわけではありません。転職者はエージェントを選べる状態にあるため、自社の人材紹介ではどこまでフォローを行うのか、戦略や方向性を決めて対応しましょう。

    エージェントによっては、数十時間かけて求職者の教育研修や面接対策を専門的に実施しています。あるいは、レジュメ添削に力を入れたり、キャリアアドバイザー全員がキャリアコンサルタントなどの有資格者となり質の高い傾聴サービスを提供したりしています。

    とくに、法人営業とキャリアアドバイザーとで分業制を敷くなら、専任だからこそ提供できる質の高いフォロー体制を整えるようにしてください。

  • ポイント4
    人材紹介の営業に必要なスキル・人物像とは

    最後に、人材紹介の営業に必要なスキルや、相性の良い人物像をご紹介します。

    飛び込みやテレアポを苦と思わない人

    人材紹介の営業は、もともと飛び込みやテレアポが主体の営業スタイルです。人材紹介向けの顧客システムや営業管理システムの活用が進んでいるとはいえ、新規営業をするうえで、ある程度のストレス耐性がないと続かない仕事といえるでしょう。

    1件でも多く商談につなげる、1人でも多く選考に進めるといった気持ちを持ち、活動量をあげることが苦に感じないタイプと相性が良いはずです。

    ただし、最近はPORTERSのようなシステムの使い勝手が良いため、飛び込みやテレアポ後に行っていたExcel入力や求人票作成、書類の出力業務の負担はぐっと減っている傾向にあるでしょう。

    CRM・SFAを使いこなせる人

    これからの人材紹介営業は、PORTERSのようなシステムを使いこなすスキルが必須となります。従来の人材業界は業務量の多さや時間外労働の長さが懸念されていましたが、働き方改革の影響もあり、ITシステムの導入による業務効率化が進んでおり、短い労働時間のなかで成果を上げるにはCRM・SFAなどの活用が欠かせません。

    経験の浅いの営業でも、ベテランの成約までのベストプラクティスをシステム上で踏襲し早期に成長することも可能ですし、推薦までのスピードや質を上げることが出来ます。

    人材紹介業をリモートで運営する企業も増えており、さまざまなシステムを活用した営業戦略を考えられる人が、今後も重宝されるでしょう。

    社風や経営理念とマッチする人

    人材紹介業は全国に2万件以上存在します。人材紹介業のビジネスモデルは基本的に同じなので、多数ある企業から自社を選んでもらうには、社風や経営理念で差別化していく必要があるでしょう。

    企業も新しい営業を採用する際は、自社の社風や経営理念に合っているかどうかを確かめながら、選考しなければなりません。

    「人材材紹介業を通して〇〇を実現したい」という想いの部分を明確にすることを、採用ターゲット像の設計の際に意識していきましょう。

  • ポイント5
    まとめ

    今回は人材紹介における2つの営業職の仕事内容や役割、それぞれの売上アップの秘訣を紹介しました。法人営業と求職者担当それぞれで活かせるスキルは異なりますが、両職種に共通するのはCRM・SFAなどのITシステム活用です。

    新型コロナウイルスの影響でテレワーク需要が続くなか、今後もシステム活用を中心とした営業戦略は必須となります。まだCRMやSFAの導入をしていない企業や、そもそもどのように人材紹介用のシステムを選べばいいかわからない方は、人材紹介専門のマッチングシステムであるPORTERSのサービスサイトをぜひご覧下さい。

    こちらのページでシステム導入のきっかけや、業務効率化できた実体験もご紹介しています。

     


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