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ポイント1人材紹介会社と求人広告会社の違いまずは人材紹介と求人広告の違いを簡単に解説し、その中からどのような広告をするべきなのか解説していきましょう。
●人材紹介の役割
人材紹介は、求職者と求人企業をマッチングさせるサービスです。
求職者には希望に合った求人を紹介し、求人企業には必要な人材を紹介します。
サービス登録者(求職者)を獲得する段階で広告を用いる場合が多いこともあり、それがしばしば求人広告と混同されます。
求人企業に対して適正な求職者を紹介し採用が決定した場合、求人企業から紹介手数料を受け取るという成果報酬型のビジネスモデルです。
人材会社は求職者に対し、求人を紹介するだけでなく、キャリア相談や選考対策など入社に至るまでの就職活動全般をサポートします。
求人企業側としても、採用につながらなければ費用がかからないためリスクは小さいです。
さらに、採用に関わる業務を人材会社が代行してくれるため人事のコストを抑えることができるというメリットもあります。
ただし紹介手数料が高額であることが難点と言えます。
それが人材紹介会社です。
●求人広告の役割
求人広告は、企業の求人情報をwebサイトや雑誌などのメディアに掲載し、求職者を集めるサービスです。
新卒採用や転職、派遣、アルバイトなどの募集に広く使われています。
収益源は基本的には求人企業からの料金徴収となりますが、その中でもいくつかのモデルがあります。
代表的なものとして、掲載課金型と応募課金型があります。
✓掲載課金型
✓応募課金型
掲載課金型とは、広告を掲載する時点で掲載料を徴収するもので、料金は期間で決まる場合や掲載数で決まる場合があります。
応募課金型とは、求人広告を通じて求職者からの応募があればはじめて料金を徴収するというもので、応募が一切来なければ求人企業に費用はかかりません。
最近ではこれに加えて、求人広告からの応募件数に応じた費用を徴収する成果報酬型の求人広告も登場しています。
求人広告は、求職者にとっては企業との間に関与されることがないため、気軽に自分で働きたい企業に応募することができ、求職情報を得る方法としては広く一般的です。
人材紹介 求人広告 費用 成果報酬で無駄がないが、比較的料金が高い(入社者の年収の30%前後) 比較的低料金(数十~数百万円)だが、採用できなければ費用が無駄になる 人材要件合致度 人材要件を的確に伝えられればそれに沿った候補者を紹介してもらえる 多様な人材が応募するため、人材要件に合う人が見つかるかはわからない 優秀な人材は有名大手企業に集まる傾向がある 応募の量 比較的少なく、大きな母集団の形成は難しい 比較的多く、大きな母集団の形成に向いている 採用の手間 担当のコンサルタントに人材要件を的確に伝えれば、後は採用の大部分のプロセスを代行してもらえる 多様な応募者の中から人材要件に合う人材を見抜くのに非常に手間がかかる場合がある
多くの企業は人材紹介会社を利用するのか、求人広告会社を利用するのか迷います。どちらも併用して利用する場合もありますが、それぞれ適性があるものです。
人材紹介会社が広告を配信する際は、ターゲティングを適切に、広告配信する必要があります。
企業であれば、求人広告ではなく、人材紹介会社を利用するべきな層、求職者であれば、人材紹介会社を利用して、仕事を探すべき層です。
以下を整理してみましょう。
人材紹介会社を利用するのに向いている会社
人材紹介会社を利用するのに向いている会社は、求人の認知をそこまで増やしたくない、費用を無駄にせず各人に対して支払いたい、と考えている会社です。
人材紹介は求人広告と異なり、秘密裏に採用を行うことができる利点があります。
こちらが把握してないような得体のしれないユーザーに、自社の求人が知れ渡ることはありません。
また、採用が決定して初めて紹介手数料を支払うため無駄がないというメリットに魅かれる層もいます。
人材紹介会社を利用するのに向いている求職者
一方で、人材紹介会社を利用するのに向いている求職者もきちんとセグメントできますので、覚えておくべきです。
基本的には、市場価値が高く、さらに、有名大手企業志望ではない方が当てはまります。
条件にぴったりと合った会社に入社したいと考えており、求人広告では限界があるため、人材紹介会社を利用します。
また、何かしらのスキルがある程度ある方、市場価値がある方が、人材紹介でうまく転職できる人です。
理由としては、①有名大手企業は求人広告を出すだけで多数の優秀な応募者が集まるため、人材紹介にはあまり頼らない、②人材紹介会社ではコンサルタントが求職者の条件にぴったり合った会社を紹介してくれる、③ある程度のスキルがあると企業側の人材要件に当てはまりやすくマッチングがしやすく、企業側としても「人ひとり」に対して金額支払うため、一人の人間への期待が高まってしまう、といったことが挙げられます。
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ポイント2人材紹介会社はどうやって求職者を集めるのか?求人広告が伸びている今、人材紹介会社が求職者を見つけるのは難しいと思われがちですが、そのようなことはありません。
上記で説明したように求人広告と人材紹介ではそれぞれターゲットが異なります。
つまり、それぞれ集めたい層の属性も異なるため、拮抗しないというわけです。
ここからは、人材紹介がやるべき広告手法を解説していきます。
●Web広告
例えば、人材紹介会社が活用するべきなのが、Web広告です。Web広告は、配信するユーザーをターゲティングして効果的に配信できます。
つまり、転職に関心のある人に広告を出すことができます。
ちなみに、企業側も同様で、新しい人材を採用したいという人事の職の人のみに配信が可能です。
Web広告にも様々な種類がありますが、その中の2つほど例を挙げて紹介します。
リスティング広告
リスティング広告は、検索エンジンの結果画面に表示される広告のことです。
特定のキーワードを検索するユーザーに対して訴求ができるので、意欲の高い転職顕在層にアプローチすることが可能です。
また、検索エンジンを利用する際は、転職に関しての情報を知りたい時であり、タイミングという側面からも効果が期待しやすいです。
SNS広告
SNS広告は、TwitterやInstagram、FacebookなどのSNSで配信する広告です。
セグメントを詳細に設定し、ピンポイントでターゲティングができるのが特徴です。
IT系の求人に強みを持つ人材紹介会社を例にあげると、IT系のキーワードをよく検索する20~30代男性のみを対象に広告を配信するといったことが可能です。
SNS広告では、一般的にユーザーのエンゲージメント(クリック、コメント、シェアなど)に対応して料金が変化します。
そのため、的確なターゲティングを行うことで非潜在顧客に対しての無駄な広告費を削減することができます。
✓Twitter
SNSの中で国内2位のユーザー数を誇っており、若年層のユーザーが多く拡散力が高いという特徴があります。
学生のユーザーも多いため、新卒求職者向けの広告などに向いているでしょう。
✓Facebook
Facebookはビジネス色が強いため、BtoBサービスにおいては、広告と相性がいいと言えます。
このため、求職者だけではなく、企業向けへの配信もオススメです。
また、30代以降のユーザーが多く幹部クラスのビジネスマンも利用するため、決裁者に近い人にダイレクトで広告を打つことができます。
さらに顧客管理データを入れることができ、セグメントも詳細に設定できるため、過去に顧客となったことがある人に似た属性の人への的確なアプローチが可能です。
✔Instagram
若年層のユーザーが多く特に女性が多いことが特徴であり、若い女性をターゲットとする場合に向いています。
「Instagramでは女性に配信する」などを社内で設定すれば、特化型のクリエイティブで、かつ成果を生み出しやすい傾向にあります。
Instagramはツールの特性上、広告が画像や動画の形をとっているため、それらの質の高さが重要となります。
Facebook社のサービスであるため、細かいターゲティングに関してはFacebookと同様です。
✓Youtube
若年層を始め、幅広い層に利用されており、他のSNS同様ターゲット層を自由に設定することができます。
最近はビジネス系のコンテンツも増えてきており、ビジネス系のチャンネルの広告枠での配信のみといった指定も可能です。
そのため無駄なく潜在顧客に対しアプローチすることができます。
●オウンドメディアの作成
オウンドメディアとは「自社で保有するメディア」のことです。
本来は自社サイトやSNSアカウント、パンフレットなど全てを意味しますが、昨今、一般的には企業が運営するウェブマガジンやブログを指します。
オウンドメディアを作成する目的は大きく分けて2つあります。
1つ目は、自社製品・サービスの認知です。
広告とは別の切り口としてオウンドメディアを持っておくと、より幅広い潜在顧客と接触することが可能になります。
2つ目は、自社製品・サービス、さらには企業自体を気に入ってもらうことです。
質の高いコンテンツを配信することで、接触した潜在顧客を見込み顧客へと変え、最終的に顧客とし、優良顧客(知人に紹介してくれる顧客等)へと育てていくことが可能となります。
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ポイント3人材紹介会社が広告を運用する際のコツ
人材紹介会社がこのような広告を運用する際のコツも合わせて紹介します。
広告は、広告代理店に任せておくだけで良いのではないかと考える会社も多いですが、最大の成果を出すためには、社内でもある程広告に関して理解しておくことが必須です。
●自社の強みは何か整理する
まずは、自社の強みが何かを整理しましょう。
現在、国内の有料職業紹介事業所数は2万を超えています。
さらにその市場規模のほとんどを数社の大手人材紹介会社が占めている状態です。
こうした競争が激化している市場において、自社の求人サイトを選んでもらうには、他社との差別化が不可欠です。
そのためにはまず、自社の強みは何かということを言語化しておくことが重要です。
自社の強みは取引企業数にあるのか、ノウハウにあるのか、そこを明確にして広告に明記することで差別化を図りましょう。
●PDCAサイクルを回す
広告だけに限ったことではありませんが、PDCAサイクルを回すことは非常に重要です。
広告の運用としては、費用対効果を常に意識し、より高い費用対効果を目指すことが重要です。
web広告であれば、応募者1人当たりの獲得単価を整理し、他社と比較するといった方法もあります。
●人材紹介業に実績のある代理店に依頼する
Web広告程度であれば、配信は自社で回すことも不可能ではありません。
このため、稀に自社で運用している会社もいます。
しかし、最大の効果を出すためには、ノウハウのある広告代理店に依頼することがおすすめです。
依頼する会社を選ぶ際は、「人材紹介で実績があるのか」を確認しましょう。
CPA(一人や一社得るのにかかる費用)やクリエイティブの制作費用などが比較ポイントになります。
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ポイント4広告を使わないで求職者を獲得するその他の方法
広告を使わずとも人材紹介会社が求職者を獲得する方法も存在します。
今回はそのうちの主な3つを紹介します。
●SNS運用を通したダイレクトリクルーティング
「ダイレクトリクルーティング(ダイレクトソーシング)」とは、企業の求める人材を自ら探し出し直接アプローチする採用手法のことです。
一般的には、母集団形成の段階を「ダイレクトソーシング」、その後の選考までを含めて「ダイレクトリクルーティング」と呼ばれますが、最近ではあまり区別されず、どちらも「直接人材へアプローチする攻めの採用手法」として認識されています。
最近ではダイレクトリクルーティングの1つとして、FacebookなどのSNSを活用して気になる人材に直接アプローチするという手法(ソーシャルリクルーティング)もあります。
メリットとして、直接アプローチするため採用候補者の入社意欲を高めやすい、急な採用にも対応できる、費用が抑えられる、などが挙げられます。
一方で、自ら採用候補者を探してアプローチするには当然手間がかかるというデメリットもあります。
●利用者による紹介
自社求人サイトの登録者から知人を紹介してもらうという手法もあります。「友人を1人紹介する毎にAmazonギフト券500円分プレゼント」といったように紹介特典を用意するのが一般的です。
求人サイトの利用者獲得競争は激化しており、最近では紹介された側にも特典をつけるケースも存在します。
特典の付け方に左右されますが、
●メールマガジンの配信
多くの求人サイトでは、メールマガジンを配信しています。メルマガの配信によって、新規会員登録を促したり既存会員の再利用を促したりといった集客効果が期待できます。
メルマガの内容は様々ですが、大きく分けると、求人システムによって自動送信されるタイプと運営が自らの手で文章を書いて送信するタイプの2つがあります。
自動送信のものには、新着求人情報や、希望条件と一致する求人情報などがあります。
こられの導入には、定期的に新着求人を提供でき、ある程度の数の求人を取り扱っている必要があります。
一方で、運営自ら文章を書くものには、注目求人の紹介や転職ノウハウの紹介などがあります。
注目求人は運営が選んだ求人情報を配信するため、求人数が少なくても問題ありません。
転職ノウハウの紹介も求人数に関わらず配信できますが、どちらも文章の質が問われます。
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ポイント5まとめ人材紹介会社の広告や求職者獲得の手法について、求人広告との違いにも触れながら説明してきました。
現在、人材紹介会社の求職者獲得競争は非常に激化しています。
広告運用のコツでも述べた通り、自社の強みを明確にし費用対効果を意識しつつ、自社に合った広告やその他の求職者獲得の手法を選択しましょう。
そして、広告を配信し、契約する企業や求職者が増えてきた際に活用できるのが、それらを一括管理するシステムです。
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