本記事では、人材紹介会社向けに、求職者募集手法について解説していきます。

昨今のアグリゲーションサイトにおける、人材紹介求人の排除方針や、競合増加によるCPC(クリック単価)の上昇により、思うような広告効果が発揮できす、求職者募集において、苦戦を強いられている企業から多くの相談をいただきます。

今回は、人材紹介会社向けに、デジタルマーケティングの観点から、
アグリゲーションサイトへの広告出稿以外の求職者募集手法をご紹介いたします。
また、それぞれの施策を実施する順番についてもあわせて解説していきます。

  • ポイント1
    求職者集客のためデジタルマーケティング施策一覧

    ①LPO(ランディングページの最適化)

    多くの企業で自社サービスの魅力的に伝え、求職者からの応募(問い合わせ)を最大化するために、LP(ランディングページ)を用意していると思います。

    このランディングページは、Google広告やYahoo!広告をはじめ、Instagram広告、LINE広告など、各種SNS広告を運用する際にも、クリック後の遷移先として、設定されます。

    つまり、様々な広告導線を用意しても、当然ながら、その広告効果はLPの良し悪しに大きく依存します。

    そのため、常にCVR(応募率)を最大化するためにLPOを行い続ける必要があります。

    LPOに取り組む際の具体的な手順は以下の通りです。

    手順①|LPの誘導先が一か所になっているかの確認

    LP最大の特徴は、誘導先を1か所に絞ることによるCVR(応募率)の高さです。

    しかし、より多くの求職者の要望に応えられるように、ついたくさんのメニューを用意してしまうケースが多く見られます。

    自社のLPにおいて、このような状態が見受けられる場合は、基本に立ち返り、誘導先を「応募」一択に絞り込みましょう

    手順②|サービス特徴が明確になっているかの確認

    現代のインターネット時代では、膨大な情報が溢れえっております。

    そのため、ユーザーが情報1つあたりに、割く時間が加速度的に短くなっています。

    ミズーリ科学技術大学の研究によると、ユーザーがサイトに訪問した時、「有益か「そうでないか」判断するスピードは2.6秒とも言われております。

    ※引用元:https://news.mst.edu/2012/02/eye-tracking_studies_show_firs/

    つまり、自社のサービスが「誰に」対する「何」なのか

    「どんなベネフィットをもたらすのか」を瞬時にメインビジュアルの中で、伝える必要があります。

    例:『医師の転職』、『フリーターの就職』

    シンプルかつ明瞭に自社のサービスを打ち出す必要がある。

    この時、一瞬で伝わることが最優先のため、あまり多くの情報を盛り込まないように注意しましょう。

    手順③|フォームはメインビジュアル内または直下に配置

    入力フォームを上部に設置することで、既に応募意欲の高いユーザー(求職者)を直ちに登録に促す構造にします。

    手順④|スマホに最適化されているか確認

    ユーザーが使用しているデバイスはスマートフォンが圧倒敵に多いです。

    求人サイトの場合はおおよそ、8割がスマホからのアクセスになります。

    サイトの新規製作を行う場合はパソコンよりも、スマホ版の構成を第一に考えましょう。

    ②EFO(エントリーフォームの最適化)

    EFOにおいて、特に重要なのは以下の3つの項目です。

    1.ステップフォームの実装

    2.質問数は6つ以下

    3.Stepは、3Step以内

    ポイント①|ステップフォームの実装

    ユーザーにあらかじめ入力項目数を把握させないことで、入力する事に対して面倒/手間であるなどといった精神的障壁を下げることができます。

    ポイントとなるのは、オープンクエスチョンではなく、クローズドクエスチョン(選択式)とします。

    そして、最初の入力ハードルを下げることが重要となります。

    ポイント②|質問数は6つ以下

    回答を求める質問項目数は少なければ少ないほどCVR(応募率)は高くなります。

    セールスサイドの視点からすると、事前に取得しておきたい情報はたくさんあるかと思いますが、応募の増加を目的にし、質問項目は最低限に絞り込むことが重要です。

    また、弊社で考える、求職者募集における最低限の項目は、名前・生年月日・電話番号・メールアドレスの4つです。

    ポイント③|3Step以内で完結

    ステップフォームも項目が長くなればなるほど、基本的には離脱につながります

    ステップフォームでの入力項目も少ない方がCVR(応募率)は上がるたため、エントリーフォームは3Step以内でまとめましょう。

    ③アフィリエイト広告

    広告をクリックしたユーザー(求職者)がCV(申込/登録)をした場合に広告費が発生する成果課金型の広告です。

    アフィリエイト広告を成功させるために必要な手順を解説します。

    手順①|アフィリエイトマーケットが存在するかの調査

    『保育士 転職』『フリーター 就職』などの求職者が検索するであろうキーワードを洗い出し、SEOの検索結果に、ランキング/比較/口コミサイトが存在するかリサーチします。

    存在する場合は、大手ASP会社などから競合他社がいくらで入札しているかも続けてリサーチを行います。

    手順②|直接 or ASP経由でサイト掲載の依頼

    多くの優良アフェリエイターに掲載してもらうためには、商材として扱うことに魅力を感じてもらう必要があります。

    アフェリエイターにとって魅力的なのは、下記の3つを満たす商材です。

    • ①商品に魅力がありCV獲得がしやすい
    • ②支払い条件が良い
    • ③記事掲載の手間がかからない

    そのため、『自社の強み・お支払い条件』をまとめておく必要があります

    特にポイントとして、ユーザー(求職者)が自社のサービスを利用した場合どのようなメリットがあるかわかりやすく説明する必要があります。

    手順③|承認ポイント・支払い体系を軸に毎月交渉を行う

    承認ポイントは『登録』または『面談』となりますが、アフィリエイト広告開始初期では面談承認ではなく『登録承認』で他社よりも高めに入札を行います。

    また報酬の支払い体系は『完全成果報酬』『承認率保証』『単価UP』を軸に、それぞれのアフィリエイターの実績に応じて交渉PDCAを回していきましょう。

    ④SNSアカウント運用(Twitter、YouTube)

    SNSの最大の特徴としては、「拡散性」「ターゲティング」「資産性」が挙げられます。

    認知を得る手段としては有力な発信ツールと言えます。

    Twitterの場合の発信内容は、「転職面談時に活用している資料」「自社社員教育で活用している資料」などからツイート案を想起しましょう。

    また、Youtubeの発信内容は、自社メディアがある場合、自社メディア内の人気記事の動画化し、記事内に挿入することで継続的にユーザーに視聴してもらうことが可能です。

    ⑤求職者スカウトサービス

    スカウトメールは多くの企業が行っている求職者募集手法です。

    テキストのみで出稿が可能なため、LPやバナーなどの用意なく、すぐに取り組むことができることが魅力です。

    ⑥求職者送客サービス

    送客サービスとは、独自の求職者データベースを保有するなど、求職者募集に強みを持つ企業が求職者を送り出すサービスです。

    求職者、1人あたり1.5万円ほどの報酬設定で送客してくれるケースが多いため、業種業界によっては安価に確実に求職者を集客することができます

  • ポイント2
    デジタルマーケティング施策の優先順位

    様々な求職者募集手法を解説してきましたが、マーケティング効果を最大限発揮するためには、施策の取り組み順序がとても大切です。

    施策の取り組み順序を考える上で、必ず理解しておきたいことが、マーケティングファネルの思考です。

    マーケティングファネルについて

    一般的に消費者の行動プロセスには、一定のフローが存在します。

    最も有名なものとして、1920年代にアメリカ合衆国のサミュエル・ローランド・ホールが示したAIDMAモデルがあります。

    • ✓Attention(認知)
    • ✓Interest(興味)
    • ✓Desire(欲求)
    • ✓Memory(記憶)
    • ✓Action(行動)

    AIDMAモデルとは、一般的に消費者は、その製品の存在を知り(Attention)、興味をもち(Interet)、欲しいと思うようになり(Desire)、記憶し(Memory)、購買行動に至る(Action)という購買決定プロセスです。

    各フェーズの頭文字を取り、AIDMAモデルと呼ばれます。

    消費者が購入にいたるまでの行動プロセスは、前のフェーズから次のフェーズに進むつれ、一定の離脱が発生するため、先細りの逆三角形になります。

    この形が漏斗に似ていることから、マーケティングファネルと呼ばれます。

    リアルマーケティング、デジタルマーケティングに関わらず、マーケティング施策を考える際はこのマーケティングファネルを意識した施策設計が必須です

    求職者募集に置けるマーケティング施策を各フェーズに落とし込むと下記のような図になります。

    マーケティング施策を各フェーズに落とし込む.png

    デジタルマーケティング効果を最大化するためには、購買行動(Action)に近い部分、つまり、マーケティングファネルの下部に対する施策から、取り組むことが鉄則です

  • ポイント3
    まとめ

    今回は、人材紹介業における様々な求職者募集手法と、その取り組み順序について解説いたしました。

    既存の求職者募集手法に限界を感じ、新たな求職者募集施策検討する、人材紹介会社様に取って参考になれば幸いです。

    ▽執筆者

    ナウビレッジ株式会社
    代表取締役 今村邦之

    ▽経歴

    25歳で人材紹介会社、株式会社UZUZを創業。デジタルマーケティングを軸に会社を成長させ、2020年に退職。
    同年10月に、ナウビレッジ株式会社を設立。創業3年で200社超のマーケティング支援の実績。
    東京医科歯科大学 非常勤講師、筑波大学 ヒューマンバイオロジー学位プログラム講師、iU 情報経営イノベーション専門職大学 バーチャル研究室 客員教授。
     
    【事業概要】
    デジタルマーケティングの業務代行、内製化支援

    創業3年で80社以上の人材紹介会社様のマーケティング支援を実施。
    求職者募集で結果を出してきた手法やノウハウを惜しみなく提供しております。

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