人材紹介業では顧客情報や営業活動の管理をExcelやスプレッドシートで行っている企業が少なくありません。求人企業の募集ポジションや選考状況といったデータは、日々最新のものに更新し、双方のマッチングをリアルタイムで進めるためにExcel管理では限界があるでしょう。

また集客が厳しい時などに過去に接点を持った求職者の掘り起こしたいと思っても、掘り起こしに適した管理方法や検索機能を準備していなければ、いざという時に実行することができません。

今回は、人材紹介会社で導入が当たり前になったCRMを取り上げます。CRMとは何か、機能面や使い方になど基礎知識をご紹介します。これから人材紹介向けのシステム導入を検討されている企業はぜひ参考にしてください。

  • ポイント1
    CRMとは

    CRMとはCustomer Relationship Managementの略語で、直訳すると顧客関係管理となります。CRMは、広義の意味では顧客との取引履歴や情報を管理して、顧客と良い関係性を築くことを表します。

    また、CRMは顧客管理システムや、顧客情報を管理するツールを指すこともあります。Excelやスプレッドシートのような簡易的なものではなく、顧客情報専用でデータ管理・分析して、企業の持つ顧客資産を守る役割を持ちます。

    人材紹介業でCRM活用が進んでいる背景

    人材紹介業ではCRMをはじめ、さまざまなITシステム活用が活発化しています。エージェントの抱える顧客数が増えれば増えるほど、各企業の採用状況や紹介履歴、選考状況のリアルタイムの管理が難しくなるためです。

    また、人材紹介業では法人側の顧客データと、求職者側の顧客データを付き合わせて、双方向にマッチングを進めなくてはなりません。これまでに蓄積したデータが多ければ多いほどその難易度は高く、また事業を継続するほどにより一層高まり続けます。

    営業の頭のなかで顧客管理するには限界があり非効率的になるため、人材紹介業でのCRM導入が注目されています。

  • ポイント2
    人材紹介業の特化型CRMの主な機能とできること

    ここからは人材紹介業のCRMの主な機能をご紹介します。

    <主な機能一覧>

    • 顧客情報の管理、検索、掘り起こし
    • 選考情報の管理、検索、掘り起こし
    • スケジューラー
    • 売上・入金情報の管理
    • 顧客情報や営業活動の分析
    • マーケティング支援
    • マッチング​​​​​​​
    • 帳簿・書類の作成管理
    • 各種サービス連携
       

    本記事で紹介する機能は必ずしもすべてのCRMで利用できるわけではありません。使用するシステムごとに問合せ、ご確認をお願いします。

     

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    顧客情報の管理

    人材紹介業の顧客は、企業と求職者に分けられます。

    求人募集中でまだ人材紹介契約を締結していない企業の情報から、契約締結後、積極的に人材紹介を進めている見込み顧客まで、顧客ステータスを管理することが可能です。企業の担当者情報や推薦メールの送信もCRM上で対応可能です。

    求職者情報は、面談内容の議事録はもちろん、求人票の送付や内定承諾書のやり取りまでCRMを介して行うことができます。

    また、蓄積した顧客データについては条件を絞って検索したり、過去接点を持った求職者や企業を掘り起こすこともできます。

    選考情報の管理

    人材紹介業向けのCRMでは、選考情報の管理も可能です。どの企業で何人、推薦が進んでいるのか、書類選考から最終面接のどこで歩留まりが起きているのかなど、詳細にデータを記録し分析ができます。

    せっかく面談をしたのにタイミングが合わず、すぐに求人紹介できていなかった求職者は、きちんと情報記録をしていなければ対応がおざなりになりがちです。CRMで次回アクション日を設定し、面談議事録の詳細を記入しておけば、後から忘れずに再アプローチができるでしょう。

    スケジューラー

    人材紹介業では、複数の選考が同時進行で進んでいきます。どの案件もスピーディに面接日程を組むことが、成果を出すための重要要素です。人材紹介業向けのCRMを活用すれば、企業と求職者との日程調整がスムーズになります。

    また、事業全体での新規面談数や、面接数などのデータを収集し、レポートとして出力すれば振返りも容易になるでしょう。

    売上・入金情報の管理

    人材紹介手数料がいくら発生したか、何月何日にいくら入金見込みがあるかなど、売上や入金情報を一元管理できます。CRM上で請求書作成から送付まで行えば履歴も残るので、対応漏れを防げます。

    複数の選考状況の管理に追われていると、入金管理にミスが発生しやすくなります。しかし、CRMで売上金管理すれば、万が一の入金漏れも防げます。

    顧客情報や営業活動の分析

    顧客の企業情報を入力し議事録保存できるだけでなく、日々の営業活動情報から活動データを分析しレポートを出力できます。業務フローの課題を可視化し、改善につなげやすくなるでしょう。

    例えば、人材紹介専用のクラウドマッチングシステムPORTERSでは営業ごとの進捗率レポートをワンクリックで確認ができます。

     

    マーケティング支援

    CRMでは、さまざまな条件で顧客情報を絞り込み、見込み客のみを抽出することが可能です。今まで全体にばらまきで送っていたメルマガやDMも、CRMを活用すれば必要な相手のみに狙って送ることができます。また、複数のチャネルから集まったさまざまな顧客の年齢や性別、過去の経歴といった情報をデータ化・分析してマーケティング施策に活かすこともできるでしょう。

    マッチング

    CRMのなかには、求職者と企業のマッチングを促進する機能を兼ね備えたシステムもあります。例えば、PORTERSでは求職者と求人企業を同じ画面で一覧化したり、地図上に求人を表示して求職者の自宅から近い求人とマッチングしたりする機能があります。

    帳簿・書類の作成管理

    人材紹介業では複数の帳簿・書類の作成と管理が必要になります。人材紹介に特化したCRMを活用すれば、各書類のテンプレートを利用でき、スムーズに作成ができます。

    また、人材紹介業は法律の改定に影響されやすく、法改正の度に最新の内容に帳簿を修正しなければなりません。人材業の法改正に自動対応しているCRMを活用すれば、より効率的に書類作成・管理ができるでしょう。

    作成できる帳票例

    • 履歴書(キャリアシート)
    • 求職者推薦状
    • 求人票
    • 請求書
    • 契約書
    • 求人/求職者管理簿
    • その他カスタマイズ帳票

    各種求職者集客サービスとの連携

    人材紹介業向けのCRMでは、求人媒体や各ホームページ、さまざまなSaaSサービスなどと連携が可能です。いちいち各媒体の管理画面にログインしなくても、CRM1つで一括管理できるため手間が省けます。

    各システムを連携できるだけでなく、CSVのデータインポート/エクスポート機能も備わっています。

  • ポイント3
    人材紹介の管理ツールの選び方/3つのCRMの特徴とメリット・デメリット

    これまでの章で、人材紹介業向けのCRM機能をご紹介しました。最後に、CRMを以下3つのタイプに分類し、それぞれの特徴やメリット・デメリットについて解説します。CRM選びの参考にしていただければ幸いです。

    1.人材紹介に特化したCRM

    人材紹介業に特化したCRMの代表的なサービスにPORTERSが挙げられます。人材紹介業は大量の顧客情報を管理しなくてはなりませんが、PORTERSを使えば、企業・求職者それぞれの顧客情報を堅牢なサーバー上でクラウド保管が可能です。

    Webサイトから応募のあった求職者データをそのままPORTERSに取り込めたり、企業情報や求人情報、求職者情報などコアデータが分かりやすく網羅されていたりするため、非常に使い勝手が良い点がメリットと言えます。なお、これらの人材紹介業向けの基本機能ははじめから装備されているため、導入後すぐに現場で使える点も魅力です。

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    2.全業種対応のCRM

    全業種に対応しているCRMの代表サービスに、zohoやsalesforce sales cloudが挙げられます。zohoはCRMのなかでもコスト面に魅力があり、中小企業やスタートアップでこれから徐々にシステム導入を試したい方と相性が良いでしょう。salesforce sales cloudは、世界規模で認知があり、カスタマイズ性に優れている点が大きな特徴です。CRMを提供してきた歴史が長い分、どのような要望にも答えてくれる安心感が期待できます。

    全業種対応のCRMのデメリットとしては、デフォルトで人材紹介業向けの機能が揃っておらず、導入後すぐに使い始められない点にあるでしょう。自社でCRM担当者を置き、開発者に対してしっかり指示を出してカスタマイズ、開発ができる企業なら問題ありませんが、多くの中小エージェントでは、そこまで対応時間を割けない可能性が高いです。

    3.自社開発

    CRMを自社開発して運用している人材会社もあります。自社開発であれば機能の過不足もなく、必要なものを必要な分だけ開発していけば良いので、長く使用する上ではメリットも大きいです。しかし自社開発を行う際の費用負担や工数を考えると、小規模エージェントや1人経営のエージェントでは対応が難しいのがデメリットとなります。また、開発後も人材業全体で法改正は続いていく見込みのため、度々の細かい仕様変更のために運用開発の予算も必要です。

    以上のことから、中小企業または小規模エージェントには、人材紹介業に特化したCRMを活用するのが最適と言えるでしょう。

  • ポイント4
    まとめ

    人材紹介業でCRMを導入すれば、日々の営業活動や顧客やり取り、選考の動きがデータ化・可視化され、業務効率化を図れます。人材紹介で頻出する求人票や求職者の推薦文などのテンプレートも多数揃えられており、企業と求人のマッチング促進も後押ししてくれます。

    CRMを選ぶなら、人材紹介に特化して機能開発をしているPORTERSがおすすめです。人材紹介や派遣業に向けて開発しているため、求職者検索や企業・求職者向けのメールテンプレなども充実しています。

    カスタマイズも柔軟にでき、多くの人材業から「業務効率化できた」という声も聞かれます。

    これからCRMの導入を検討している人材紹介業の皆さまは、ぜひ1度、PORTERSの無料トライアルにて使用感を実感してみてください。