日本の人材紹介マーケットは、リーマンショック後の景気回復、また少子高齢化・労働力人口の減少などの要因により、近年では「売り手市場」が続いています。
一方で、有料職業紹介事業の事業所数は伸び続けており、人材紹介業における競争は、ますます激しさを増している状況です。このような厳しい環境の中、人材紹介業の方にビジネス課題をお伺いすると、「組織の拡大」と「売上の拡大」が重要な課題という声が多く上がります。
それでは、人材紹介ビジネスで、売上を拡大するためには、何が必要でしょうか。
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ポイント1実際にやった売上を伸ばす3つの改善策
ヒューマングローバルタレント株式会社様は、グローバル案件・バイリンガル人材に特化した人材ビジネスや転職サイト「Daijob.com」の運営を行っている企業です。
この企業では、売上を拡大するため、コンサルタント個人のスキルに依存せずに汎用性があるノウハウや成功事例をいかに再現していくかという課題を持っておりました。
では、ヒューマングローバルタレント株式会社様はどのようにこの課題を解決し、売上拡大を実現されたのでしょうか。
ポイントは以下の3つです。
●新人の早期戦力化
人材紹介ビジネスは、労働集約型のビジネスと言われており、コンサルタント1人当たりの生産性をいかに最大化するかがビジネス上、大変重要になります。
そのため「新人の早期戦力化」は売上拡大のための重要な課題です。
具体的には以下の施策を行いました。
【新人早期戦力化の具体的施策】
✓ベストプラクティスの共有
✓育成スピードの高速化
ベストプラクティスの共有
まず、行動の「量と質」が良く、理想的な行動をしているシニアなコンサルタントが「何をどれだけすることで成果を出しているか」を月に1回、ベストプラクティスとして社内で共有しました。
1つのベストプラクティスに各人の成功事例を加えてあらたな成功事例として共有していき、成功事例を常にアップデートして、社内のベストプラクティスを確立していきました。
育成スピードの高速化
次に、育成スピードの高速化を行いました。
例えば、シニアコンサルタントが1年かけて出した良い成功事例を社内で共有し、新人がそれぞれ3か月で習得すれば、育成スピードは4倍になります。
さらに、新人が新たな成功事例を作れば、ベストプラクティスの高速PDCA化が可能になります。
成功事例のフレームワーク化、ノウハウの積み重ねを行うことにより、コンサルタントの成長スピードが飛躍的に向上しました。
経験マネジメントではなく、ファクトベースで人材を育成することを徹底した結果、新人コンサルタントでも十分な生産性を上げることができるようになったのです。
【新人早期戦力化を実現するために意識するべきポイント】
✓成功事例のフレームワーク化
✓シニアコンサルタントのノウハウの積み重ね
✓ファクトベースでの人材育成
●コンサルタントの行動を促す組織化
組織として行動するメリットを社内で明確にし、コンサルタント個人が保持しがちな求職者や求人企業のデータを共有する「組織化」を徹底しました。
組織化の効果としては【コンサルタントの行動促し】が可能になりました。
「組織全体の資産になり、売上にインパクトがある」というメリットをコンサルタントひとりひとりが理解することで、コンサルタントは各自のKPI達成に向け自ら積極的に行動するようになりました。
【コンサルタント「組織化」のメリット】
✓コンサルタントの行動促しが可能に
✓コンサルタント個人の情報独占を防ぐ
✓組織での情報・データ管理が可能に
「組織化」の重要性を理解し共有
具体的に「組織化」の重要性を理解してもらえるよう社内に情報発信をしました。
例えば、「面談した求職者のメールアドレスをデータベースに入力することにより、談件数の増加が結果的にデータベースのボリュームを増やし、CRMやメールマーケティングで求職者掘起こしが可能になる」など具体例を挙げて組織内で情報を共有しました。
組織貢献メリットを明確化
また、組織への貢献が、コンサルタントにとってメリットとなることが明確に理解できるよう、重要性の理解醸成を行いました。
●KPIの可視化
KPIの可視化施策として、【理想値の設定】と【現状把握】を行いました。
このことで重要KPIの設定や売上の事前予測ができるようになりました。
結果がでてから振り返るのではなく、何が足りていないのか、何に取り組むべきか、事前に施策を立案することが可能になり、計画的なKPIマネジメントの実施ができるようになりました。
【KPI可視化のメリット】
✓重要KPIの設定が可能に
✓売上の事前予測が可能に
✓結果が出る前から事前に施策立案が可能に
✓計画的なKPIマネジメントが可能に
具体的な施策は以下の通りです。
理想値の設定
1か月間の業務量を「行動の量」、推薦から書類通過の各プロセス推移率を「行動の質」と定義し、過去3か月間の数字からコンサルタントの行動の「量×質」の理想値を設定しました。
例えば、コンサルタントが1か月の間にどのくらいの数のJOB打診を行い、あるいはどのくらいの書類推薦率を保っていれば理想的な状態といえるのか、その数値を可視化したのです。
現状把握
次に、【現状把握】を実施しました。
まず、面談から内定承諾までどのくらいの期間かという「成約までの平均期間」を算出しました。
その平均期間から逆算する形で、「2か月前の必要面談数」、「1か月前の必要面談数」などを算出しました。
そして、その時期までにクリアしていなければならない中間指標と現状の数値を可視化したのです。
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ポイント2KPIの可視化が可能なクラウドシステム
ヒューマングローバルタレント様が売上拡大をされた背景には、ポーターズのPORTERSを導入され、コンサルタントのKPIの可視化、データの共有等がクラウド上で実現できたことがあげられます。
PORTERSなら、人材紹介会社の求人や求職者の情報管理から、売上・請求の管理まで一気通貫で行っていただけるのみならず、KPIの可視化、人材育成ツールとして、またCRM・SFAとしてのご利用が可能です。
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